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廉価版で値上がりは嬉しい、スピードマスター“オートマティック”3510.50

で、この自動巻の3510.50はムーンウォッチと見た目がそっくりの“自動巻”モデル。

かつての新品相場はムーンウォッチが25万円前後だったならば、このモデルは10万円台で販売されていたのですが、時計のことをわからない人には「見た目がそっくりなのになんで10万円も値段ちがうの?」という感じでしょう。

多少、時計の常識を分かれば、スピマスの通常モデルは“手巻き”で、安いのが“自動巻”と分かるのですが、それでもブロードアロー”は自動巻だけど、ムーンウォッチより高級なモデル、などという複雑な事情も存在します。

しかも通常、自動巻と手巻きモデルの併売はあまりなく、しかも自動巻のほうが廉価としているということもです。

ムーブメントに詳しい人であれば、ETAとフレデリックピゲが大きな違いだよ!(同じ自動巻におけるブロードアローとの差)

なんて言えるのですが、ブランディング的にはわかりづらいとしか思えません。

ということで、この黒ベゼルに黒文字盤、しかもプラ風防というムーンウォッチのデザイン要素を兼ね備えた自動巻のスピマス。

それっぽい雰囲気を安く買える時計として、一定の人気があるため、5万円以下になることは無い代わりに高くなることもありません。

しかし、それでも2010年と比べて4万円以上の値上がりをしたのは立派!

最近、オメガ全般の値上がり現象が確認できているので、この3510.50だけのことではないのですが、この価格帯の時計で4万円の値上がりは、安い時に買っていた人にとって嬉しい買い物だったと思います。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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