1000mという防水性能自体は、この時計が現行だった2001年当時でもそんなにすごいものではありません。
2000m防水というポルシェデザインのオーシャン2000はもちろんのこと、前途のシードゥエラーだって1220m防水。
しかし、それらと大きく違うのは、通常のサブマーシブルのディティールを残しながら、ケースや風防を分厚く表現し、いかにも「防水性能を高めた特殊モデル」として売った点。
最初に出たのは2000年でその際出たのは黒文字盤のPAM00064。その1年後に出たのがこの青文字盤なのですが、通常のサブマーシブルに対して「特殊」という印象を持たせるためには青文字盤というほうがキャラクターに合っていると思います。
この青文字盤、なんともディープシーのDブルー文字盤のような印象すら覚えるのですが、2001年に登場と以外にも結構パネライにしては古いモデル。
また、パネライの腕時計で珍しく文字盤にトリチウムを示す「T」が書かれているのもレアな点。しかもPAM00001などではトリチウム仕様のほうがだいぶ高くなる傾向があるため、トリチウム仕様であるということ自体に価値があるのです。
しかし、PAM00001のトリチウム仕様は現在この時計よりだいぶ高い相場。通常モデルのPAM00001よりこのサブマーシブル1000mのほうが高いのに、同じくトリチウム仕様になるとPAM00001のほうが高いとは、理解が厄介な現象です。
軽く予測するならば、PAM00001のトリチウム仕様の人気が高いのか、このPAM000087の存在が知られていないかのどちらかでしょう。
いずれにしても特殊モデルという印象のPAM00087は2009年と比べて7万円以上の値上がりですが、他と比べると安いとも言えそうです。
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