GMTマスターは80年代頃の定価を見て分かるとおり、かねてより高級なモデルという位置づけでした。
しかし、90年代後半の腕時計ブームとかぶる時期には、それほど高級モデルだという差別化をされておらず、サブマリーナと同じ仕様の腕時計という印象でした。
ダイヤ文字盤仕様は、サブマリーナと同じく、ドットがダイヤでバーがルビーという仕様。サブマリーナがサファイアを採用するのに対してルビーを採用と、兄弟モデルであることを意識させる内容です。
しかし、6桁リファレンス時代から、GMTマスターのダイヤ仕様は、青赤ベゼルの部分がダイヤモンドとなり、かなり上の高級モデルとなったのです。
しかもダイヤ仕様はこのSARUのように文字盤からブレスレット部分までダイヤという仕様まで展開。
こういうダイヤだらけの仕様は、かつてはデイデイトの専用仕様という印象でした。デイトナにも豪華ダイヤ仕様はありましたが、このGMTマスターのようにブレスレットまでダイヤという仕様は無かったように思えます。
また、通常このような豪華すぎるモデルは流通量がかなり少ない傾向があるのですが、116758SARUはこの手のモデルとしては多いほう。
1400万円という値段はたしかに高いですが、パテックフィリップのグランドコンプリケーションなどとは異なり、これほどつける人と場所を選ぶ時計に需要があるというのは、最近のGMTマスター人気を表しているようにも感じます。
この時計、これだけ豪華な見た目ながら、スポーツロレックスというカテゴリに属するという意外性が良いのでしょう。
昨年と比べて約100万円の値下がり状態ですが、仮にこの時計を買ったとして100万円のマイナスで売却したならば実質100万円でこの時計を楽しめたことになります。
ただ、そのためには現金を持っている必要もありますし、実際に売る時、少しの誤差が大きなマイナスを生み出すリスクも存在するため、実質100万円で買うというのはあまり現実的ではないでしょう。
しかし、万が一大幅に値下がりしてしまったとしても、おそらく買った値段の半額までは下がらないでしょう。
これが車の場合、ベンツのSクラスやBMWの7シリーズになりますが、2世代前の両者は100万円ぐらいで買うことができてしまいます。
車の場合、買った値段の10分の1となってしまうのはごく一般的なことですが、それと比べると腕時計の資産価値はずば抜けているのです。
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