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ヴァシュロンコンスタンタン初代オーバーシーズ、スポロレと同水準で買える三雲スポーツウォッチ

ロイヤルオークに関しても30万円台で販売されているものはありますが、それは80年代頃に作られたクオーツモデルに限ります。ですからロイヤルオークの場合、自動巻モデルがこの価格帯で売られることは基本的にありません。

しかし、オーバーシーズの場合、自動巻モデルでも30万円台という時期がありました。

2003年頃と2010年前後の約4年間、自動巻でも30万円台で取引されていたのです。

オーバーシーズの場合、男性用ラインナップは、

  • ミディアム(約35mm)
  • 自動巻(約37mm)
  • という2種類のサイズがあり、その各々に白・ピンク・黒という多彩な色の文字盤が用意されています。

    それに加えて、各サイズ、各文字版色に対してクオーツか自動巻かを選択することができました。

    よって、クオーツモデルのラインナップが他の三雲スポーツウォッチに比べて多いという特徴があります。

    例えば、同時期にデビューしたアクアノートにもクオーツモデルは存在していましたが、5064Aという1種類のラインナップであり、ミディアム+ラバーベルトという構成しか選べません。

    ですから、オーバーシーズの場合、クオーツモデルと自動巻モデルの差別化が弱く、結果的に自動巻モデルでもクオーツ並の価格で売られてしまっていたのです。

    また、クオーツモデルが存在しないクロノグラフに関しては、デビューしてから基本的に80万円以上という価格帯をキープしています。

    この3針モデルのオーバーシーズ、2009年時点での相場は約35万円ですからその頃と比べて20万円以上の値上がり状態

    ちなみに2009年頃、同じ値段で何が買えたかというとロレックスだとコンビでは青サブ、ステンレスモデルではGMTマスターなどです。

    そして、今となってはそれらすべてが値上がり状態。

    2009年の時点で、三雲スポーツウォッチがロレックスと同じ値段で買えるというのはお買い得感があると思えましたが、実は現在もっとも値上がりしたのは青サブで、最も値上がりしていないのがこのオーバーシーズなのです。

    スポーツロレックスと同水準で三雲スポーツウォッチのオーバーシーズが買えるという現象は2000年代前半から続いていますが、三雲スポーツウォッチらしい価格まで上昇する可能性はまだ捨てきれません。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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