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2016年12月18日更新

ブランパントリロジーGMT、実はオーバーシーズのライバルだった存在

このトリロジーGMT、少々マニアックな時計のため実売価格にはばらつきがありそうですが、昨年の相場はきっちりと45万円という数値を表しています。

とはいえ、最近は35万円前後の場合もあるため、45万円で安定しているというわけではありません。ただし、仮に35万円だとしても2013年と比較して値上がり状況なことに変わりはありません。

ですからこの時計、きちんと値上がり時計として成立しているのです。

なお、現在価格の46万8000円という価格ですが、これは2000年代前半の新品実売価格に相当します。

当時もトリロジーGMTは比較的マニアックな存在でしたが、それでも新宿の売り場面積が大きい時計屋さんに行くと新品の実物を見ることができました。

ですから、その頃新品でトリロジーGMTを買ったとしても、マイナスが少ない状態で楽しめたということになります。

また、このトリロジーGMT、ブランパンというスウォッチの高級ブランドというだけあって定価は100万円以上です。

ブレスレットなどの仕上げにも定評があるトリロジーはまさしく100万円クラスの仕上げ。

この時計、仕上げや定価、そしてブランパンというブランドを加味すると、実はオーバーシーズなど三雲スポーツウォッチのライバルとして設計されていたということに気づきます。

現在、ブランパンのこのシリーズを見てもオーバーシーズアクアノートに近いと思う方はあまりいないでしょうが、当時のアクアノートオーバーシーズの実売価格と定価等々を比べると、実はライバルに近いのです。

ただし、当時新品が80万円台だったアクアノート60万円台ぐらいだったオーバーシーズに比べて、40万円台というトリロジーロレックスと三雲ブランドの中間的な価格でした。

新品当時の印象としては、中間的な価格でありながら、100万円以上という定価と時計の品質が40万円台で手に入るというお買い得時計だったのです。

そして、そのお買い得さは、購入価格だけでなく、買った値段と中古相場が15年以上経過した現在でも変わらないという良さがあるのです。

ただし、当時これより安いサブマリーナを買っていたら、今頃購入価格より値上がり状態だったので、そちらのほうが投資対象としては優秀。

しかし、ロレックスを数多く持っている方が、たまには違うものを買ってみよう、と思った場合、このトリロジーGMTは、値下がりしないという点でも良い腕時計を楽しめるという点でもかなり良い1本だったのです。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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