腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」

とても人気な模様、パテックフィリップ年次カレンダー5146G

300万円以上という価格帯、さらに数ある年次カレンダーの1モデルとして、特に目立つ要素がないこの5146Gが立て続けに売れるというのは、このモデルが“かなり人気”ということを示しているといって良いでしょう。

この5146がデビューしたのは2005年なのですが、そこから10年以上経った今でも現行モデルとしてラインナップされています。

興味深いのは、姿が似ている5035は不人気なのに、この5146は人気だという点。

5035と5146の違いは、パッと見た感じ、

  • ムーンフェイズパワーリザーブの追加
  • という点ぐらいしか感じられません。

    しかし、その小さな要素が見た目において「格好良さ」を引き立てているのです。

    その他にも

  • カレンダーが部分2つ目
  • スレートグレー文字盤の採用
  • というデザイン的な進化があり、格好良さをより一層引き立てています。

    ただし、これら要素は5035が現行だった当時、既に5056Pに採用されていた内容。ただ、末尾のPから分かる通り、プラチナ版しかないという超高級モデルだったのです。

    そして、通常モデルである5035の後継として、従来豪華版であった内容を取り入れたのがこの5146。

    ですから、5146のデザイン面において新しいのは、

  • インデックスがローマンからアラビアになった
  • という点にとどまります。

    ちなみに、

  • ムーンフェイズ
  • スレートグレー文字盤
  • アラビア数字の採用
  • という点は5035が現行だった頃から女性用の4857Gにおいて既に採用されていたデザインです。

    なお、その他にも5035、5056Pから

  • ムーブメントが315から324
  • ケースサイズが36mmから39mmになった
  • という変化が存在し、1つずつ羅列すると意外にも変更点が多いのです。

    この5146は、5035を“少し”変えたモデルにも見えますが、その“少し”に見える改良はとても非常に大きな意味を秘めています。

    年次カレンダーというモデルは実用性も高く、スレートグレー文字盤にWGという見た目は、主張しすぎることもなく、地味すぎるわけでもありません。

    ですから5146というモデルは、デザイン面でも機能面でも毎日飽きずに着けられる最高級モデルだと感じます。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

    1 2
    - PR -