1999年7月1日号のブルータスの表紙を見て分かるように、当時既に生産終了となっていた一部のロレックスはとても高い水準となっていました。
その頃、ブルータスは「同じモデルでもロゴが赤いと「赤サブ」といって価格が上がる。日本ならではのおめでたい珍現象がある。」とコメントしていたように、腕時計の価格が上がることに批判的な様子でした。
しかし、今となっては赤サブは1999年の水準より高く、もちろんその現象は日本だけにとどまりません。
当時において、価格が上がったロレックスの生産終了モデルを見て、「タイムマシーンがあれば過去に戻って買いたい」と言っていた人がいました。
タイムマシーンがなければ過去に戻ることは困難ですが、その時代において「2018年の基準では安く売られている」という時計は意外とあったりします。
例えばノーチラスは、今となってはとても人気の高い腕時計ですが、2000年代中盤までは特に評価されていない存在でした。
そして2002年においても、ノーチラスは今となってはびっくりするほど安く売られていたのですが、それでも誰も見向きはしなかったのです。
2002年におけるノーチラスの新品価格は約90万円。この90万円という額は2社の平均値ですが、どちらの価格も大きく違うということはありません。
つまり2002年頃、90万円でノーチラスが売られているということは至って普通のことだったのです。
そして、その価格帯というのはノーチラスに限りませんでした。
アクアノートの5065/1Aやヴァシュロンコンスタンタンのオーバーシーズクロノグラフも同水準。
また、オーバーシーズやロイヤルオークの3針モデルに至っては、それよりだいぶ安い水準であり、売られている様子をあまり見ないというようにマニアックな傾向があったのです。ちなみにそれはノーチラスの3800/1Aも同様で、どこで新品が売られているのか分からないというほど、メジャーな存在ではありませんでした。
そのような事情があった当時の雲上スポーツにおいて、比較的メジャーな存在だったのが、アクアノートとノーチラスのパワーリザーブ、そしてオーバーシーズのクロノグラフだったのです。
いずれも当時の新品実勢価格が約90万円という水準で、ステンレスのデイトナより安い価格帯に位置していました。
とはいえ、当時においてデイトナ以外のステンレススポーツは40万円前後といった価格帯に位置していたため、約90万円という価格は雲上スポーツというイメージにふさわしい印象でした。
似たような新品実勢価格だったそれら3つの雲上スポーツですが、どれを選ぶかによって結果が大きく変わってきます。
2002年から16後の今、出た答えは3つのうちどれを選んでも値上がり状態となっています。
しかし、最も値上がりしたモデルと、値上がりしていないモデルではだいぶ値上がり額が異なるのです。
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パテックフィリップノーチラス3710/1Aの価格比較
時計名 | 状態 | 2002年春頃の新品実勢価格(2社平均) | 期間 | 2018年2月の安値(楽天) | 変動した額 | 残存価額 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ ノーチラス 3710/1A |
新品 | ¥900,100 | 16 | ¥4,622,400 | 3,722,300 | 513.54% |
ノーチラス3710/1Aはジャンボモデルという希少性と特殊なパワーリザーブインジケーター搭載という要素から、最近は400万円以上という水準まで上昇。
その一方、2002年においてノーチラスより僅かに高かったオーバーシーズクロノグラフは、2002年当時と大きく価格が変わっていません。
ヴァシュロンコンスタンタンオーバーシーズクロノグラフ49140/423A-8790の価格比較
時計名 | 状態 | 2002年春頃の新品実勢価格(2社平均) | 期間 | 2018年1月の安値(楽天) | 変動した額 | 残存価額 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヴァシュロンコンスタンタン オーバーシーズ クロノグラフ 49140/423A-8790 |
新品 | ¥934,238 | 16 | ¥998,950 | 64,712 | 106.93% |