腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」

【値上がり考察】パテックフィリップノーチラス5711/1A-010

ノーチラスが「人気の腕時計」というポジションになったのは、2005年前後という時期。

2005年以前において、ノーチラスの新品実勢価格は今では考えられない水準でしたし、さらにその前である2002年頃に至っては新品実勢価格が100万円以下という評価だったのです。

2005年時点におけるノーチラスの新品実勢価格は約130万円程度。それ以前において100万円以下だったことを考えると、その時点でも十分高いと感じられる価格だったのです。

そして2006年、新型となったノーチラスは「ジャンボ+青文字盤」という5711/1Aがデビュー。

その新品実勢価格は200万円近い水準となったため、「一気に高くなった」という印象であり、割高感を感じたかもしれません。

そしてその後2008年春頃までノーチラスは高い相場をキープしていたのですが、2008年のリーマンショックによって相場は下落。そしてその相場は2012年頃まで続いていました。

ちなみに5711/1Aは2011年において約138万円という中古価格で取引されています。

それが2013年のアベノミクス以降に値上がりし、2015年頃には5711/1Aの中古が約300万円という水準に達したのです。

2005年以前のノーチラス相場を見ると2006年の5711/1Aの新品実勢価格はとても高く感じるのに対し、2015年頃の中古相場はそこから100万円も高い水準となっていたのです。

つまり、2006年の高かった時期からリーマンショックによって下落、2015年には反発し2006年以上の水準に達していたというわけです。

ですから、約300万円という中古価格が2016年7月において、「これ以上伸びない」と感じるほど高い水準だったということが分かります。

しかし、2016年7月の約1年後に5711/1A-010は80万円以上も高くなっているのです。

つまり、約300万円という価格は、その相場だった当時は高く感じても、実は「買う」という選択肢が正解だった時期となるわけです。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

1 2
- PR -