5711/1Aなどでは青文字盤は他の文字盤よりも目立って高いという様子ですが、現在、3800において青文字盤が他の文字盤よりも圧倒的に高い状況でないというのは、3800特有の事情が影響しているのかもしれません。
3800は先のように1982年から2000年代前半まで長期に渡ってラインナップされたモデルですが、その生産期間において何度か大きく変化しているのです。
もっとも特徴的なのは、パテックフィリップ全体がリファレンス定義を変更したという点。
3800のデビュー当時は、3800/1でしたが、その後ステンレスを示す「A」がリファレンスに加わります。
そのため、3800/1Aの青文字盤は、モデルによっては3800/1と記載されており、探しづらいという点があります。
そして、3800においては青文字盤よりも白文字盤や黒文字盤のほうが生産期間が短くレア度が高いという点もあります。
特にマットな黒文字盤に関しては、この世代にしか存在しないデザイン要素であるため、今となっては意外なノーチラスとしてレアに映るかもしれません。
黒文字盤は97年頃に登場しましたが、この時期にデイトのフォントとバックルの形状が変更されており、それが3800としては最も新しい世代となっています。
細かい話をすると、その90年代後半世代において青文字盤は数が少なく、逆にレアともいえるのですが、その文脈が分かりづらいため、80年代頃のモデルと特に価格差がないということもあるのです。
ですから、3800において青文字盤が特に目立って高くないという現象は、このような複雑さがあるからだと思うのですが、いずれにしても3800は全体的に高くなっているため、文字盤色に関係なく優秀な値上がり時計だといえるでしょう。
|