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クロノグラフの事情、カルティエロードスターW62019X6

このロードスターのクロノグラフは2012年5月という時期にも40万円台前半という水準でした。

2012年5月といえば、腕時計が全体的に安い時期でしたが、その時代においても40万円台という水準だったのはかなり高い価格帯だったといえます。

当時において40万円台の時計はどのようなものだったかというと、ロレックスだとサブマリーナやGMTマスター2コンビモデルなどが選択可能といったところで、ステンレスに関してはこのロードスターより安い水準でした。

2012年当時、ステンレスのスポーツロレックスと比較して相対的に高い価格帯にいたロードスタークロノグラフですが、このような“高い”価格帯だった時計は、2012年から今にかけて値下がりしているという事例もあります。

けれども、このロードスタークロノグラフの場合は、2012年において相対的に高かったにもかかわらず、2012年から2018年にかけて4万円以上の値上がりとなっているのが興味深い点だといえます。

2000年代前半において、ロードスターの3針モデルの新品実勢価格は30万円台という水準でしたが、このクロノグラフとなると50万円台という水準。

当時の新品実勢30万円台という価格は、サブマリーナ16610同水準だったため、ロードスターの3針モデルは16610のライバルだったといえます。

そして、クロノグラフの実勢価格が3針よりなかなか高かったという傾向は、パシャ38mmと同様です。

そんなパシャ38mmのクロノグラフは、2012年という時代においてやはりSSロレックスより相対的に高い価格帯に位置していましたが、現在にかけて値下がり傾向となっています。

ですから、2012年において相対的に高く、そこから値上がりしているというロードスターは、優秀な値動きだといえるでしょう。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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