2004年に初のカジュアルラジオミールとしてデビューしたPAM00183。
ラジオミールとしては珍しく、「ブラックシール」という愛称が設定されているのですが、これは当時唯一のカジュアルラジオミールだったからだと思います。
今となっては、ルミノールと価格帯が特に変わらないシリーズとなっているラジオミールですが、このブラックシールが出るまでは最高級シリーズという役割を担っていました。
当時のラジオミールは、金無垢モデルが中心で、少数存在したステンレスモデルも、ゼニスエリートといった高級ムーブメントや、アラームなどのコンプリケーション機構が備わっているなど、高級感を感じさせる存在でした。
それが、このブラックシールの場合は、ETA手巻きムーブメントが搭載されており、ルミノールと同様の内容となっているのです。
ですから、高級なラジオミールと区別するために「ブラックシール」という名称としたのでしょう。
実際、高級だった時代のラジオミールを知る筆者は、当時RGのラジオミールが欲しいと思いながら、なかなか手を出せないと感じていました。それがブラックシールという安価なモノが出たため、手が届くと感じ「欲しい」と思った記憶があります。
高級なシリーズのカジュアル版という存在は、ロレックスのヨットマスターロレジウムや、フランクミュラーのカサブランカなどが該当しますが、高級なのにカジュアルという存在は魅力的だと感じます。
しかし、ブラックシールがそのような存在感だったのは2004年だけだといえます。
なぜなら、デビュー翌年の2005年にはラジオミールベースがデビューし、ラジオミールの役割は高級からカジュアルに変化していたからです。
さて、そのようなブラックシールという存在ですが、2005年以降において人気が下がるという印象はなく、むしろ多くの人にほしいと思われるようなメジャーな存在となっていたように感じます。
ただそのメジャーという印象は、「高級モデル」という特別感を感じさせないということにも作用するといえます。
そのためか、2016年9月の段階では30万円台後半という水準に位置し、パネライの通常モデルとしてはルミノールベースなどとともに、最も安いといえる価格帯に位置していました。
それでも、2012年と比較すると2016年の水準は値上がり傾向であり、ブラックシールという存在は悪くない値動きをしていたといえます。
では、2016年9月から2年少し経った現在、このブラックシールはどのような様子となっているかというと、その水準は40万円台となっており、きちんと値上がりしている様子です。
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オフィチーネパネライラジオミールブラックシールPAM00183の価格比較
時計名 | 状態 | 2016年9月の安値(楽天) | 期間 | 2018年11月の安値(楽天) | 変動した額 | 残存価額 |
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オフィチーネパネライ ラジオミール ブラックシール PAM00183 |
中古 | ¥365,040 | 2年 2ヶ月 |
¥419,000 | 53,960 | 114.78% |