かつてパネライのクロノグラフモデルは「かなり高い」という印象で、ラジオミールに関しては高嶺の花だったといえます。
そういった価格帯だったのは、2000年代前半までのことなのですが、当時のクロノグラフで最も安かったのはエルプリメロ搭載のルミノールでした。
エルプリ搭載ルミノールといえば、現在でも中古80万円台という存在で、他のパネライと比較して高い価格帯となっていますが、そういった存在が、かつてのパネライにおけるクロノグラフの一般的な選択肢だったのです。
では、その頃、ラジオミールでクロノグラフが欲しいと思ったら、どういった選択肢があったのかというと、特殊な限定モデルしかなかったのです。
それら限定モデルは、見た目の格好良さはもちろん、デットストックムーブメントを搭載するなど、かなり粋な内容で、時計ファンとしては「欲しい」という存在だったのですが、入手難易度はかなり高かったといえます。
それが2004年頃から、ETAベースの機械を搭載したルミノールが登場し、パネライのクロノグラフは徐々にカジュアル化されていきました。
ただ、ラジオミールに関しては、その時代でも依然として通常モデルにおけるクロノグラフのラインナップはなく、相変わらず高嶺の花という印象だったといえます。
2005年には、以前よりもカジュアルなラジオミールのクロノグラフが登場していますが、それはWEMPE限定のモデルという存在でした。WEMPE限定といえば、パテックフィリップの年次カレンダー5125がありますが、時計ファンが「グッとくる」デザインで出すため、入手難易度は比較的高い傾向で、その時代でもラジオミールのクロノグラフは高嶺の花だったといえます。
ではラジオミールのクロノグラフが、高嶺の花でなくなったのはいつだったのかというと、それは2007年になってからのことだったのです。
その際登場したのが、このPAM00288であるのですが、このモデルこそラジオミール初の“限定モデル”でないクロノグラフであるのです。
ステンレスケース、ETA7753ベースという内容は、まさに「非高級」を示しているといえ、以前のクロノグラフとは明らかに異なる存在だといえます。
その一方で、以前のクロノグラフと同様に2つ目を採用しており、見た目的には高価な限定モデルと同じ方向性となっているのが良いと感じます。
そして現在の相場も、約52万円という水準となっており、他のパネライの価格と大きく離れておらず、身近な存在だといえます。
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オフィチーネパネライラジオミールPAM00288の価格比較
時計名 | 状態 | 2016年11月の安値(楽天) | 期間 | 2018年11月の安値(楽天) | 変動した額 | 残存価額 |
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オフィチーネパネライ ラジオミール PAM00288 |
中古 | ¥498,000 | 2年 0ヶ月 |
¥528,000 | 30,000 | 106.02% |