2018年はロイヤルオークの値上がりが目立っているといえますが、特に最近そのように感じるのが14790や15000といった、ミディアムサイズのモデルです。
これらは2000年代前半頃まで現行モデルだった様子で、特に14790に関しては今でいう15400に相当するメインモデルという存在でした。
ロイヤルオークは3針といったシンプルなモデルでもラインナップが多く、どれがどれなのかがかなり分かりづらいといえますが、14790と15000の違いは何なのかというとケースサイズが異なります。
14790が36mmであるのに対し、15000は33mm。同世代のノーチラスのメインモデル、3800/1Aは約33mmだったため、15000STは同じサイズだといえます。
今となっては、33mmというサイズは小さいとも評価されますが、パネライをきっかけとするデカ厚ブームまではこのサイズはごく一般的なメンズサイズでした。
ですから、2000年代前半において15000STは、ロイヤルオークにおける一般的な選択肢だったといえるでしょう。
さて、ロイヤルオークといえば、先のようにラインナップが多い傾向があるのですが、それに加えて、年式による仕様違いも存在します。
そのため、その全体像を把握するのは更に困難ともいえるのですが、実はこの年式による仕様違いという要素は、困難さをも上回る面白さがあると感じるのです。
この記事の個体は、バーインデックスが長いタイプであるのですが、このようなデザインはジェラルドジェンタがデザインしたオリジナルの5402STに近いといえます。
15000や14790の多くは、バーインデックスが短く、60から55までの秒表記が施されていますが、このようにバーインデックスが長い文字盤には秒表記がありません。
また、初代である5420といえば、文字盤上の「AUDEMARS PIGUET」ロゴの書体が異なる点があり、近代的なモデルとは異なりシンプルな字体となっています。
そして、4100STや14486STなど5402以降に存在する初期モデルは、旧字体の文字盤が採用されているのですが、5402も含めて新しい文字盤が混じっており、旧字体を探す面白さがあると感じます。なぜ、ロゴが変化した文字盤が混ざっているのかというと、文字盤交換をしたら、5402といえどもロゴタイプの文字盤になってしまうからという事情があるようなのです。
つまり、このような仕様違いが多々あるという点は、ロレックスでいう「ビッグスイス」「ブラックアウト」「スティックダイヤル」などのような面白さがあり、ロイヤルオークを楽しむ良い要素だともいえるのです。
ノーチラスは、ラインナップが少なく全体像が把握しやすい反面、ロイヤルオークはその全体像を把握するのは困難です。
そのため、これまではノーチラスの値動きが目立つ一方で、ロイヤルオークの値動きはノーチラスほどは目立ちませんでした。
けれども、このような仕様違いはノーチラスには無く、ロイヤルオークならではの面白さだといえ、評価されるようになっても不思議ではありません。
それは、2017年の時点から指摘していることであり、当時もこの15000STのバーインデックスが長い文字盤を取り上げていました。
それから1年8ヶ月のときが経ったのですが、現在この15000STのバーインデックスが長い文字盤はどのような水準となっているかというと、130万円台後半となっているのです。
これは、2017年4月と比較して58万円以上の上昇となっていることになり、なかなか評価されたといえる状況だと感じます。
他の15000STも高くなっているため、バーインデックスが長い文字盤だけが目立って高いわけではありませんが、それでも他の15000STよりは高い水準だといえます。
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オーデマピゲロイヤルオーク(バーインデックス長い)15000STの価格比較
時計名 | 状態 | 2017年4月の安値(楽天) | 期間 | 2018年12月の安値(楽天) | 変動した額 | 残存価額 |
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