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140万円台になった、GMTマスター2 116710BLNR

116710BLNRは、2013年に登場し、その黒青という新しいベゼルカラーが注目を集めました。

しかし、こういった“新色”は、登場時は真新しく見えても、後々伝統的な色合いに人気度が負けるということもあります。

例えば、黒赤ベゼルがまさにその例で、1980年代にGMTマスター2専用色としてデビューし、定価の観点から当時は「高いGMTの象徴」といういう様子だったと推測できます。

しかし、そんな黒赤ベゼルは、現在青赤よりも安い相場となっている傾向があり、「青赤」というオリジナルカラーには勝てていないといえます。

そのため、セラミックベゼルの6桁時代でも、黒青の後に赤青が出た場合、黒青の人気度が下がるだろうと考えるのは無理がありません。

そして、2018年にはついに赤青が登場し、200万円前後というプレミア価格状態となっているわけですが、黒青の注目度は決して低くなっておらず、値下がりするどころか値上がりしているのです。

この116710BLNRが安くならなかった要因としては、赤青がジュビリーブレスレットで登場したということが大きいと思います。

ジュビリーという存在は、かつて不人気でしたが、復活した現在では、反対に人気度が高いアイテムとなっています。

その一方で、3連ブレスレットでは青赤は選択できず、カラーベゼルが欲しい場合この116710BLNRとなり、「黒青」と「赤青」という2つのべゼルは人気のバランスが両立できている状態となっているのです。

この116710BLNRの現在の値動きを見ると、ロレックスのブランディング力の高さが「凄まじい」という感想になります。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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