2017年から多くの腕時計が目立って上昇しているといえますが、その先陣を切った存在こそ、デイトナ16520です。
16520は、2000年前後のロレックスブームの時代から、「腕時計の王様」といった評価を受けていましたが、2016年までの評価は、そういったことを考慮するとかなり低いという感想でした。
16520は、リーマンショック後に80万円台となりましたが、アベノミクスから数年が経過した2015年の段階でも約110万円台にとどまっており、2年という期間でも28万円程度の値動きしかしていなかったのです。
それが2016年12月からは、目立った値動きをするようになり、28万円程度の値動きなら、たったの数ヶ月で起こってしまうという様子となったのです。
ただ、2017年夏過ぎからはその値動きは停滞し、それ以降の値動きは緩やかとなったといえます。
それでも16520は高くなっているといえ、現在では220万円台後半という水準に達しています。
さて、そんな16520には、同じリファレンスでも、さらに高い価格帯に位置するモデルがありますが、そういった存在で最も有名なのが「P番」という存在です。
「P番」は16520の生産終了年である2000年に製造された個体であるのですが、評価される理由はいくつかあります。
その1つが、2000年夏という時期に116520にモデルチェンジされたため、生産期間が短く数が少ないという点です。ちなみに、GMTマスター2の16710にも、生産終了年に製造された「M番」という存在がありますが、デイトナ同様に高い価格帯となっています。
また、「P番」の時代には、発光塗料が順次トリチウムからルミノバになるなど、当時の近代化が進んでいた時期にあたるため、そういった「最新要素」を持つP番は特に評価された傾向もあります。
それらの要素により、2000年代前半から長らく「P番」の16520は、通常モデルよりずいぶんと高い価格帯に位置する傾向があるのです。
例えば、16520が120万円台だった2016年12月以前において、「P番」は約191万円という水準でしたし、リーマンショック後に16520が80万円台となった時代でも約147万円という水準だったのです。
僅かな差でこのような評価となるわけですから、腕時計ファンでない人には理解できず、腕時計ファンからしても、「P番」を選ぶということは相当な勇気を必要としたかもしれません。
しかし、そのような存在は、その時「割高」と感じても、その後さらに上昇する傾向は珍しくありません。
この16520「P番」も、まさにその例の象徴的な存在だといえ、「高い」と思っても、年々さらに高くなっているのです。
では、この1年の間では、どのような変動となったのかというと、なんと180万円以上も上昇している様子となっています。
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ロレックスデイトナP番白文字盤16520の価格比較
時計名 | 状態 | 2018年1月の安値(楽天) | 期間 | 2019年3月の安値(楽天) | 変動した額 | 残存価額 |
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ロレックス デイトナ P番 白文字盤 16520 |
中古 | ¥2,974,320 | 1年 2ヶ月 |
¥4,800,000 | 1,825,680 | 161.38% |