「腕時計の王様」といえば、20年近く前からロレックスのデイトナという印象がありますが、この数年においてノーチラスがそれを脅かす存在感となっています。
そんなノーチラスの中でも、2006年に登場した現行3針モデル5711/1Aは、ステンレスのデイトナと同じようなキャラクターとなっており、2017年から特に高値な様子です。
こういった人気モデルは、文字盤の色によって大きく相場が異なる傾向がありますが、ノーチラスの場合は、青文字盤の人気が高く、白文字盤に対して150万円程度の価格差となっていたのです。
しかし、2019年2月、現行ノーチラスの白文字盤が大きく値動き。青文字盤は、2018年5月頃から値動きが停滞気味となっていた一方で、白文字盤が値動きしたため、両者の価格差は18万円ほどとなったのです。
では、2019年3月現在でも、そのような様子が続いているのかというと、そうではありません。
青文字盤は現在640万円台となっており、ずいぶん目立った値動きとなったのです。
これは、先に高くなった白文字盤に対して、青文字盤の力を見せつけたというような値動きだと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年5月 の安値(楽天) |
2019年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1A-010 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥5,829,840 | ¥6,480,000 | 650,160 | 111.15% |
これまで白文字盤が値動きする際は、先に値動きした青文字盤に続くといったような傾向がありました。ですから、今回のように『白文字盤が先に値動きした』という様子は珍しく、筆者はこれまで見たことがありません。
白文字盤が高くなるということは、青文字盤も高くなるだろうと容易に推測できるわけですが、そのとおり、白文字盤上昇から1ヶ月も経たないうちに青文字盤も値上がりとなったのです。
なお、青文字盤は、先のように2018年5月以降、値動きが停滞気味となっていたため、約10ヶ月ぶりの目立った値動きといえます。
ただ、10ヶ月ぶりの値動きといっても、その変動額は約65万円という水準であり、ノーチラス青文字盤の凄さを改めて見せられたと感じます。
ちなみに、5711/1Aの青文字盤には、5711/1A-001と5711/A-010がありますが、その相場はまり変わらず、現在では両者とも648万円というボトム価格となっています。
-001と-010には細かい差がありますが、最も大きな違いはデビュー年だといえます。-001が2006年のデビュー時に登場したモデル、-010が2010年に小変更となったもので現在でも現行となっています。
時期によっては-001が高かったり、反対に-010のほうが高いということもありますが、両者の相場は、「いつの時代でもどちらか一方が高い」といったように、はっきりとした差があるわけではありません。