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現在相場考察

600万円台中盤になった、ノーチラス 5711/1A-010

2019年3月10日更新
パテックフィリップのノーチラス5711/1A-010について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年5月の安値(楽天)と2019年3月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この10ヶ月での変動は65万160円の値上がりだった。

ノーチラス 5711/1A-010についての考察(2019年3月)

「腕時計の王様」といえば、20年近く前からロレックスデイトナという印象がありますが、この数年においてノーチラスがそれを脅かす存在感となっています。

そんなノーチラスの中でも、2006年に登場した現行3針モデル5711/1Aは、ステンレスのデイトナと同じようなキャラクターとなっており、2017年から特に高値な様子です。

こういった人気モデルは、文字盤の色によって大きく相場が異なる傾向がありますが、ノーチラスの場合は、青文字盤の人気が高く、白文字盤に対して150万円程度の価格差となっていたのです。

しかし、2019年2月、現行ノーチラスの白文字盤が大きく値動き。青文字盤は、2018年5月頃から値動きが停滞気味となっていた一方で、白文字盤が値動きしたため、両者の価格差は18万円ほどとなったのです。

では、2019年3月現在でも、そのような様子が続いているのかというと、そうではありません。

青文字盤は現在640万円台となっており、ずいぶん目立った値動きとなったのです。

これは、先に高くなった白文字盤に対して、青文字盤の力を見せつけたというような値動きだと感じます。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年5月
の安値(楽天)
2019年3月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
5711/1A-010
中古 0年
10ヶ月
¥5,829,840 ¥6,480,000 650,160 111.15%

これまで白文字盤が値動きする際は、先に値動きした青文字盤に続くといったような傾向がありました。ですから、今回のように『白文字盤が先に値動きした』という様子は珍しく、筆者はこれまで見たことがありません。

白文字盤が高くなるということは、青文字盤も高くなるだろうと容易に推測できるわけですが、そのとおり、白文字盤上昇から1ヶ月も経たないうちに青文字盤も値上がりとなったのです。

なお、青文字盤は、先のように2018年5月以降、値動きが停滞気味となっていたため、約10ヶ月ぶりの目立った値動きといえます。

ただ、10ヶ月ぶりの値動きといっても、その変動額は約65万円という水準であり、ノーチラス青文字盤の凄さを改めて見せられたと感じます。

ちなみに、5711/1Aの青文字盤には、5711/1A-001と5711/A-010がありますが、その相場はまり変わらず、現在では両者とも648万円というボトム価格となっています。

-001と-010には細かい差がありますが、最も大きな違いはデビュー年だといえます。-001が2006年のデビュー時に登場したモデル、-010が2010年に小変更となったもので現在でも現行となっています。

時期によっては-001が高かったり、反対に-010のほうが高いということもありますが、両者の相場は、「いつの時代でもどちらか一方が高い」といったように、はっきりとした差があるわけではありません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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