「スピードマスター」という腕時計の印象からすると、2018年9月時点の中古が75万円以上であるこの311.10.39.30.01.001は、ずいぶん高いとも感じるため、値下がり傾向となっているのは、違和感がないともいえます。
最近、値上がりする腕時計が多い中、値下がりとなるモデルが多いブランドがありますが、オメガに関してはそういったことはなく、値上がりするモデルが多いようにも感じます。
しかし、この復刻モデルは、デビュー時からの相場が既に十分高いと感じる水準だったため、「登場から2年後」という今のタイミングで値下がりするのは、珍しいことでないと思うのです。
ただ、最近では、ロレックスなどが「割高と思ってもさらに値上がり状態」となることも珍しくないため、デビュー時から十分高いからといって値上がりしないとは限りません。
では、この復刻モデルがなぜ値下がり傾向であるのかというと、それはこのモデルに対して、今の時代では、まだレアさを感じないからだと思います。
ですから、このモデルに対して、「あんな良いものがかつて販売されていたのか」という文脈ができた時、初めて多くの人から評価される可能性が出てくるのではないでしょうか。
ちなみに、1957年の1stモデルの復刻版は、この311.10.39.30.01.001登場以前にもあり、3594.50という存在があります。
3594.50は3570.50の兄弟的な存在で、1stレプリカという希少性を持っているモデルですが、その中古相場は今でも30万円前後。
いずれにしても、2019年現在において、スピードマスターの復刻モデルはあまり評価されていない状態だといえるでしょう。
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