現在のロレックス超人気モデルといえば、GMTマスター2とサブマリーナのカラーベゼルという印象があります。
もちろん、最も人気といえるのはデイトナですが、“デイトナ”を含まない超人気モデルという意味でのそれは、上記2モデルだといえるのです。
これらモデルがこのようなポジションになったのは、2000年代後半になってからのことですが、特にここ5年ぐらいは不動の人気という印象があります。
ステンレスのデイトナは超人気モデルというポジションになってから20年ほどの月日が経過した一方で、カラーベゼルが人気となったのはそれより後のことなのです。
では、カラーベゼル以前にそのような存在だったのは何だったのでしょうか。
その答えこそ、エクスプローラーの14270なのですが、最近では“かつてこれが大人気度だった”ということは半ば忘れられているかもしれません。
しかし、このエクスプローラーこそが、ロレックスブームに火を付けた存在かつ、「プレミア価格」という現象を多くの人に知らしめた張本人であるのです。
90年代、ロレックスの印象は単に「高級品」という印象で、定価より市場価格が高くなるなどということは、多くの人にとって馴染みがなかった中、エクスプローラーの14270は、現行モデルでありながら、34.8万円(税別)という当時の定価を遥かに上回る価格で取引されていたのです。
ちなみに90年代後半には、腕時計の他にも、焼酎「百年の孤独」などがプレミア価格となっていましたが、この時期ぐらいからそのような現象が増えていったのかもしれません。
当時、ロレックスの正規店でこの14270を手に入れることはほぼ不可能な状態。このような現象は、今と変わりないかと思います。
そんな様子を見て、意図的に生産調整しているなどと疑っていた人もいますが、現代における14270の中古流通数の多さを見て分かるように、人気状態の需要に対して供給が間に合わなかったのだということが分かります。
そんなエクスプローラーの14270(114270)ですが、2003年に緑サブが登場したことや、2007年からGMTマスター2のカラーベゼルの注目度が高くなったことを受け、徐々にその人気の地位を脅かされていきました。
実際、2007年時点では既にエクスプローラーは大人気モデルではなくなっており、それは当時の新品実勢価格を見ても分かります。
デイトナを除くと、2001年1月時点では、SSモデルにおいて新品実勢価格の序列1位に位置していたエクスプローラーですが、2007年ではスポーツモデルの中で最も安い状態となっているのです。
ですから、エクスプローラーという存在が超人気モデルという印象だったのは、2000年代半ばぐらいまでだといえます。そうすると、今から15年ぐらい前のこととなるわけで、現代において「超人気モデルだった」という印象が無いのも仕方がないといえます。
そんなエクスプローラー14270は、近頃特に目立った価格変動をすることもないため、あまりニュースもなく、それほど目立たない存在だと感じます。
しかし、そんなエクスプローラー14270は2019年5月の今、なんと50万円台という水準に達しており、大人気状態だった2000年前後の中古相場より高いぐらいの状態となっているのです。
|
ロレックスエクスプローラー14270の価格比較
時計名 | 状態 | 2018年12月の安値(楽天) | 期間 | 2019年5月の安値(楽天) | 変動した額 | 残存価額 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス エクスプローラー 14270 |
中古 | ¥478,000 | 0年 5ヶ月 |
¥520,603 | 42,603 | 108.91% |