90年代前半から、2000年代中盤まで「大人気のロレックスといえばこれ!」という存在感だったエクスプローラー。
90年代後半には、定価34.8万円(税別)に対して、新品実勢価格は60万円台ということもあったこのモデルは、今の人気モデルに例えると、116710BLNRや116610LVといったキャラクターだったといえます。
2001年には114270にモデルチェンジされたものの、その見た目はほぼ変わらず、その後もエクスプローラーは人気現行モデルというポジションにいました。
それが2007年頃になると、114270の新品実勢価格は、SSスポロレで最も安いという序列になり、かつての大人気という印象からすると、驚くほど安いと感じるようになったのです。
そして、2008年になるとリーマンショックが発生。
それまで「安い」と感じる中古水準でも30万円台だったエクスプローラーは、2008年年末になると、20万円台前半という水準にまで下落していたのです。
そんなエクスプローラーですが、アベノミクス以降、多くのロレックスが高くなったのと同様に30万円台にまで上昇。
ただ、そういった値動きをするロレックスの中でも、エクスプローラーの値動きはかなり地味だったといえます。
14270は2017年11月に40万円台となったのですが、その際の印象は「やっと40万円台」という感想でした。
そして、その40万円台という水準も結局長らく続くことになり、「40万円台⇒50万円台」という変化を見せたのは、今年2019年5月になってからのことなのです。
2019年5月といえば、現行人気ロレックスを中心に多くの腕時計が上昇傾向となっていた時期であるため、14270が50万円台となったことも違和感がありませんでした。
しかし、7月以降には、6月頃までに高くなった多くのモデルが下落傾向となっていたため、この14270についても再び40万円台という水準に戻ったとしても不思議ではないわけです。
けれども、14270の現在水準を見るときちんと50万円台となっている様子。
しかも下落するどころか、上昇している様子であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
|
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年5月 の安値(楽天) |
2019年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ロレックス
エクスプローラー 14270 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥520,603 | ¥545,076 | 24,473 | 104.70% |
以前の記事でも、最近値下がり傾向となっているモデルは「現行・人気」という要素を含むモデル、そうでないのは「旧世代・マニアック」というモデルだと指摘してきましたが、この14270の現在の動きもまさにその事例だといえます。
14270は、現行時代の終盤に大人気状態となったためか、流通量が多め。
ただ、2001年には114270にモデルチェンジされたため、意外にも生産終了から20年近くの月日が経っているのです。
そういった意味では、14270は「マニアック」という要素を帯びてきているわけで、現在の上昇傾向という値動きも不自然ではないと感じます。
なお、2017年まで114270よりも14270のほうが安いという傾向がありましたが、今では14270のほうが高い様子となっています。