腕時計投資新聞

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早期の生産終了には訳がある、レベルソスクアドラクロノグラフ

これが出た2006年当時、時計相場は今のように高い水準でした。

で、この頃各社とも新作の時計をどんどん投入し、90年代に出たモデルが新しいデザインにモデルチェンジされようとしていたのです。

しかし、時計ブームという好材料があったのにもかかわらず、各時計メーカーが出した新作はいまいち評判の良いものではありません。

というか、ブームというものがなく、地味にコツコツと作られていた時代の時計のほうが高評価です。

要するにブームじゃないほうが時計作りに集中していたのだと思います。

このレベルソスクアドラ、日本代理店も結構力をいれてデパートでフェアまでやったりしていたのですが、早期の生産終了

やはり時計の場合、下手なマーケティングをするぐらいなら、マーケティングしないで時計作りに集中していたほうが良い結果を生み出すのだと思います。

つまり、「パネライが人気だからうちもサイズを大きくした時計を作ろう」とかセイコーがクオーツを開発したからうちもクオーツをやらなきゃ」

と言っても良い結果が出ません。

マーケティングしてないようなうまいマーケティングのロレックスも、かつて「オイスタークオーツ」を最高級モデルとして位置づけた苦い経験があります。

そういう経験してこそ、「独自路線」の良さが改めて分かる時計ブランディングなのだと思います。

よって、時計ブームによって苦い経験をした各社、その経験を活かして今後は「独自路線」、もしくはロレックスのようなマーケティングをブランド各社が行ってくれれば、評価の高い時計が生み出されると思います。

ちなみにこのレベルソスクアドラのクロノグラフ、クロノグラフ機能はもちろんのこと

  • ビッグデイト表示
  • GMT機能
  • まで含むすぐれもの。

    さらにレベルソなのでひっくり返したらそこには

  • 裏スケから眺められるムーブメント
  • が存在。

    会議室から生まれたようなこの時計。当然どの時計も会議で仕様が決定するのでしょうが、会議室で生まれたってのが露骨だと人は面白く感じないのだと思います。

    しかし、そんなレベルソスクアドラも生産終了となり相場は崩れていない様子。

    2010年頃これを新品で買った方、正解でした。

    2010年頃の新品価格≒今の相場です。

    デビュー当時は見向きもされなかった時計が、後から評価されることも多いのはアートも時計も同じ。

    よって、レベルソスクアドラ将来的にはどうなるかわかりません。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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