パテックフィリップといえば高いという印象がありますが、その中でも特に「高い」と感じるモデルは、時代によって異なると思います。
もちろん、いつの時代でも「最も高い」存在なのはミニッツリピーターといったグランドコンプリケーションであるわけですが、一般的な選択という印象があるモノの中で、「高い」という印象なのは、時代によって変化するといえるわけです。
現在、そういったポジションはどれかというと、もちろんノーチラスでしょう。しかし、十数年前までは、ノーチラスは最も安く買えるパテックフィリップという印象ですらあったわけで、「高いモデル」も「人気モデル」も普遍的ではないことが分かります。
では、ノーチラス以前に「高い」という存在感だったモデルは何だったかというと、クロノグラフの5070が当てはまると思います。
5070は、2000年前後という時代に現行モデルだったパテックフィリップのクロノグラフですが、パテックフィリップとしては珍しく、他社製ムーブメントを搭載しているモデルです。
今となっては、自社製のクロノグラフムーブメントはパテックフィリップで当たり前という印象ですが、実はその初搭載モデルは2006年に登場したノーチラス。
また、それまでノーチラスにはクロノグラフモデルすらありませんでした。
デイトナやスピードマスタープロフェッショナルがそうであるように、クロノグラフはそのブランドを象徴するほどの人気となる傾向があるといえますが、かつてノーチラスにはクロノグラフがなかったこともあって、2010年代前半まで5070を始めとするクロノグラフモデルは、「超高いパテックフィリップ」という印象だったと感じたわけです。
今となっては、クロノグラフに関してもノーチラス人気が高く、実際5890/1Aは1000万円以上という水準となっています。
そして、5070のほうは、どのような水準となっているかというと、こちらはなんと値下がり状態となっているのです。
それも、4年前の水準と比べて下落という状態であるのです。
パテックフィリップクロノグラフ5070J-001の価格比較
時計名 | 状態 | 2015年10月の安値(楽天) | 期間 | 2019年10月の安値(ヤフーショッピング) | 変動した額 | 残存価額 |
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パテックフィリップ クロノグラフ 5070J-001 |
中古 | ¥8,964,000 | 4年 0ヶ月 |
¥8,480,000 | -484,000 | 94.60% |