ここ10年以上において、パネライの腕時計といえば、自社ムーブメントというイメージがありますが、それが通常モデルに登場したのは2006年のことです。
腕時計の場合、「マニュファクチュール」、すなわち自社製ということが評価されるため、自社ムーブメント世代のパネライのほうが、他社製ムーブメント使用時代より人気があるという印象になっても不思議ではありません。
しかし、他社製ムーブメント時代のパネライは、実は自社製時代より中古市場では人気が高いといっても過言ではありません。
特に評価が高いのは、2000年代前半頃にまで生産されたモデル。その時代の特徴として、デットストックなど、強いインパクトのムーブメントを使う傾向がありました。
もちろん、そういったムーブメントは、限定モデルに限られますが、通常モデルでも、ゼニスのエルプリメロやエリートなど、腕時計目線でグッとくるムーブメントを使用していた傾向があります。
そんな他社製高級ムーブメント時代は2005年前後という時代に終焉を迎えるのですが、その最終世代にあたるのが2004年に登場したジャガールクルトムーブメント搭載モデルです。
このJLCパネライは、2004年の登場から3年程度で生産終了となったのですが、その理由としては、自社製ムーブメントへの転換という点があるようです。
2005年、パネライは自社製ムーブメントを完成させ、限定モデルに搭載。2006年から通常モデル(といっても上級機種)への搭載したため、高級ムーブメントの役割は他社製から自社製へと変化しました。
そのため、JLCムーブメントのパネライは、その高級感とレアさから、人気が高い傾向があり、それは今でも同様だといえます。なぜ同様なのかというと、先日記事準備中だったJLC搭載レアパネライがいくつか売れてしまったからなのですが、他のモデルを調べているうちにある発見がありました。
それは、高い評価となっている一方で、意外と安い水準で入手可能なJLCパネライがあることです。
このPAM00197というモデルは、同時期に登場したSSモデル、PAM00190の豪華RGバージョンという存在であるのですが、現在約129万円という価格で購入可能。
これは、ETAベースムーブメント搭載のRGラジオミールとも大きく価格が変わらないだけでなく、SSのJLCともそこまで差がないと感じます。
オフィチーネパネライラジオミールPAM00197の価格比較
時計名 | 状態 | 2005年12月の新品実勢価格 | 期間 | 2019年11月の中古安値(ヤフーショッピング) | 変動した額 | 残存価額 |
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オフィチーネパネライ ラジオミール PAM00197 |
新品 | ¥2,061,675 | 13年 11ヶ月 |
¥1,298,000 | -763,675 | 62.96% |