この50番という時計は、リーマンショック後のように、腕時計が全体的に安いときでも目立って安くなることは無いのが凄いと感じますが、その反面、近頃は目立って上昇するという傾向もないようです。
一時期、この50番は50万円以上という水準になっていたため、そのときに関しては69番並に高くなったと感じたのですが、現在では40万円台後半という水準に戻っています。
興味深いのは、この50番の相場が2002年頃からあまり大きく変わっていないという点なのですが、当時の新品実勢価格は今の中古相場と同じ程度。
筆者が確認した限り、その後最も安くなったのは2012年頃だといえますが、その際の水準でも約34万円であるのです。
当時の34万円というと、同じ価格帯にどのような時計が位置していたかというと、GMTマスター2の16710などが該当するわけですが、その時代でもGMTマスター2などは、以前より高いという印象があります。
ですから、2012年頃の30万円台中盤という価格帯は、なかなか高いと感じたわけで、この50番は、あまり値下がりしていなかったという印象になります。
2002年頃、目立った特徴を備え、「真新しい」という印象だったパネライは、一時のブームにとどまるのではないかと危惧された声もあったといえます。
しかし、パネライはその後も人気がしっかりと継続しているということが、この50番の相場変遷からいうことができると思うのです。
|