腕時計投資新聞

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20万円以下のデイトジャストってどうなのか?(クオーツ編)

まずはロレックスには大きく3つの時代があるというご説明。

<1980年代頃まで>

  • 4桁リファレンス
  • <1990年代の代表的なモデル>

  • 5桁リファレンス
  • <2010年以降>

  • 6桁リファレンス
  • という感じなのですが、通常4桁リファレンスのモノは「アンティーク」と呼ばれクラシカルなモデルという印象が強いのです。

    で、それがスポロレのほうだとプラスに作用して、30万円で売っていた時計が300万円とかになったりするのですが、デイトジャスト系の場合だと「古いだけ」というマイナスに作用してしまうのです。

    しかも、ロレックスの場合、ある年数が経つとたとえ本物であったとしても正規のメンテナンスを受け付けてくれません。

    よって、

  • 機能面
  • デザイン面
  • 等の理由から、ちょっと安値で売られているのです。

    そして、販売される店や、お店のショーケースの位置も違っていたりします。

    例えば、

    現行コーナー
    5桁リファレンスコーナー(中古コーナー)
    アンティークコーナー(4桁スポロレコーナー)
    ジャンク的コーナー(無名の時計やマニアックな時計など)


    というのがあったとして、ジャンク的コーナーで売られていたりするのが20万円以下で買えるデイトジャストです。

    ということで、20万円以下のデイトジャスト

    普通のモノと別物扱いなのです。

    で、このクオーツモデルについて。

    かつてセイコーが「世界初の量産クオーツ」を完成させた時、スイスの時計メーカーは「クオーツショック」となりました。

    今ではあえて不便な機械式時計がブランディング的によしとされるのですが、当時はブランディングの王様であるロレックスもビビってクオーツの時計を開発したのです。

    で、そのクオーツを高級モデルと位置づけて販売していたのです。

    80年代はかなり高かったのですが、資料が見つからなかったので1990年の定価を見てみましょう。

    1016(エクスプローラ1)が288,400円
    1019ミルガウス)が339,900円
    17000オイスタークオーツ)が412,000円

    です。

    ちなみに、アンティークロレックスの扱いで定評のあるショップさんでは、

    1016が110万円
    1019が240万円
    です。

    ま、そのぐらいするのは15年前から見慣れているので驚きはしないでしょう。

    しかし、1990年当時ですら、磁気対応という特殊機能を有していたミルガウスよりも高かった、クオーツのデイトジャスト

    同じくデパートでミルガウスを買った方は200万円のプラスオイスタークオーツを買った人は20万円のマイナス

    究極の分かれ道は思わぬところに存在するのです。

    ただし、それは昔と今との比較のこと。

    未来はどうなるかわかりません。

    オイスタークオーツ、インスタグラムを見ていても世界中で、オイスタークオーツ好きのファンが居る模様



    ということは、値上がりだってしてもおかしくありません。

    クオーツの時計は実用性は高いだけに、値上がりという要素だけでなく、実用的なロレックスが20万円以下ってのも嬉しい話だと思います。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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