そして、デビュー2年後の2002年、1949年に製造されたワールドタイム(プラチナ製)が約5億円という当時の腕時計最高額で落札されたというニュースがありました。
そのニュースのせいなのか、ブランディングの成果なのか、今でもワールドタイムで最も人気が高いのは5110P、つまりプラチナモデルです。
プラチナ限定文字盤ってのはロレックスがよく使う手法ですが、ワールドタイム(5110)のプラチナモデルには特別な文字盤が装着されています。
ワールドタイム5110にはイエローゴールドモデルやローズゴールドモデル、そして見た目はプラチナとそっくりなホワイトゴールドモデルが存在するのですが、それらの文字盤色はすべて白。
5055のように素材ごとに文字盤の配色が変化する、というのではなくて、プラチナのみが“青”でその他は“白”というのが5110の配色。
プラチナだけにプラチナ専用色のダイヤルが与えられているのです。
このプラチナモデルがデビュー当時も今も大人気。
2000年代前半の新品並行価格は300万円ぐらい、中古価格は250万円前後というのが一般的。
現在の相場と比べたら過去相場は安い、というか新品で買っても利益出ているのですが、今と比べると安かった当時の感覚としては非常に“割高”な時計でした。
だって、アクアノート(5065/1A)や、ここ何年間か300万円ぐらいで取引されているあの高いノーチラス(3710/1A)の新品がせいぜい80万円ぐらいの時に300万円ですから。
ちなみに、今800万円ぐらいするあの超高いクロノグラフ5070は当時200万円前後。
グランドコンプリケーション扱いの5070より、プチコンである5110のほうが高かったのです。
ですから、いかに割高な感じがするか分かりますでしょうか。
しかし、パテックフィリップの凄さは、たとえ割高だったとしても利益を生み出すほどの値上がりをする点。
なお、ここに出したすべての時計は当時の新品価格より値上がりしています。
|