2004年に登場したPAM00190というモデルは、高級時代最後のラジオミールだといえます。
ムーブメントはジャガールクルトベースとなっており、8日間パワーリザーブという内容。8DAYSといえば、現代のパネライにおいては“特に珍しくない”要素ですが、この190番のそれは、現行世代とは似ているようで似ていないといった側面があるのです。
190番にはそういったことを思わせる2つの点があるのですが、1つが時代背景。もう1つがパワーリザーブインジケーターの存在です。
まず、時代背景として、この190番が出た時代、パネライに「8 DAYS」はこのモデルぐらいしかなく、素材バリエーションが多少あったぐらい。また、他のブランドの腕時計についても、このような長期間パワーリザーブのモデルは少なく、“超”がつく高級品という印象がありました。
ですから、この190番は、それまでに存在した高級ラジオミールの延長線上に位置した特別感のあるモデルだったわけです。
そして、パワーリザーブインジケーターという要素についてですが、この190番のインジケーターの位置は少し変わっているのです。
文字盤側を見ると、「インジケーターが存在しない」と思ってしまいますが、実は裏蓋側にインジケーターが存在。裏スケ仕様によってムーブメントを眺めることができるわけですが、そのムーブメント側にインジケーターがあるのです。
自社製ムーブメント以降の8 DAYSの場合、インジケーターが無い場合もありますし、あったとしても文字盤側が多数派。ムーブメント側にインジケーターがついているモノもありますが、396番はトゥールビヨンというこれまた特殊なモデルで、6日間パワーリザーブです。
もちろん、現行世代の8DAYSパワーリザーブインジケーターも、他のブランドに対して独特な動き方をするため、個性がないわけではありません。しかし、高級機種に限って採用されているわけではないため、高級世代のラジオミールと比べると特別感は薄いといえます。
さて、そんなPAM00190ですが、そういった個性から、これまでの評価はSSラジオミールとしては高い中古相場だったといえ、時期によってはRGのPAM00103に匹敵するほどの価格帯となっていたのです。
そのような相場だったのはいつかというと、2017年10月なのですが、当時103番が105万円程度だったのに対し、この190番は約97万円という水準。RGとの価格差が大きくなかったのです。
そんな190番は、2017年以降売出し数が減り、近頃は2017年よりも値上がりしているのでは、と感じる水準になっていたといえます。
しかし今、そんな190番はなんと値下がり状態。
現在、PAM00190は約77万円で購入可能なのですが、これは2017年10月よりも20万円ほど安い水準なのです。
オフィチーネパネライラジオミールPAM00190の価格比較
時計名 | 状態 | 2017年10月の安値 | 期間 | 2020年4月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
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オフィチーネパネライ ラジオミール PAM00190 |
中古 | ¥977,100 | 2年 6ヶ月 |
¥774,000 | -203,100 | 79.21% |