スピードマスターのムーンフェイズといえば、ヨーロッパ限定の3575.30が評価されているという印象がありますが、実はそれよりも高いモデルが存在します。
それがこの3576.50なのですが、2019年から3575.30よりも高い価格帯に位置しています。
とはいえ、この3576.50、2019年頃まではあまり評価されている印象がありませんでした。
2017年の段階では、3575.30など2000年にデビューした“WGベゼル+ブロードアロー針”のムーンフェイズの評価が加速していた傾向がありましたが、それに対して3576.50はそこまで目立った変化を感じなかったのです。
また、2018年からは3575.30が目立って評価されたため、両者の価格帯は更に広がったといえます。
同じムーンフェイズでも、WGベゼルの3575.30は「上級なスピードマスター」というキャラクターだった一方、この3576.50は「ムーンウォッチにムーンフェイズを追加した」ような印象があります。
そのため、2017年においてWGベゼル世代が評価されていたのは違和感がなかったといえます。
ではなぜ、2019年になってこの3576.50が急に評価されてのでしょう。
その答えとして考えられるのは、この3576.50と345.0809の関係性だと思います。
345.0809は1985年に登場した、スピードマスター初のムーンフェイズモデルですが、今となってはビンテージなキャラクターを持つ1本だといえます。2017年の段階でもすでに評価されており、2019年は180万円程度、現在は150万円台といった評価となっています。
2019年と現在では、345.0809の評価は変動しているものの、いずれも価格帯は100万円以上という水準であるわけですから、評価の高いスピードマスターだといえるでしょう。
そして、この3576.50は345.0809の復刻版といえる存在。オメガの復刻版といえば、アラスカプロジェクトなどもそうですが、近年評価される傾向があります。
実はアラスカプロジェクトが評価されたのも2018年12月のことで、その際2016年7月に対して70万円という上昇額となっていました。
ですから、どうやらこの時期頃から、オメガの尖った復刻モデルが評価される傾向にあるようで、3576.50の評価が高まったのも、その例の1つだといえるわけです。
3576.50は、2017年7月の段階で約33万円だったのが、2019年6月には約54万円となっています。
ヨーロッパ限定の3575.30もそうですが、評価されるときは一気に価格帯が上がるという印象です。
さてそれから1年経った今、3575.30はどうなっているのでしょう。
その答えは、「やや下落した」ということになるのですが、「2017年と2019年、どちらの価格帯に近いか」というと、2019年となるでしょう。
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オメガスピードマスタームーンフェイズ3576.50の価格比較
時計名 | 状態 | 2019年6月の安値 | 期間 | 2020年6月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
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オメガ スピードマスター ムーンフェイズ 3576.50 |
中古 | ¥545,750 | 1年 0ヶ月 |
¥495,000 | -50,750 | 90.70% |