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エナメル文字盤が魅力的、スピードマスター311.30.44.50.01.001

この311.30.44.50.01.001というモデルは、2009年に登場したのですが、「期間限定生産」と記載されていることが多い印象です。

どうやら、販売個数を限定したモデルとして販売されたわけではないものの、生産終了年を予告していた模様。2013年時点でも新品入手難易度は高くなかったため、限定モデルといったキャラクターは弱いといえるでしょう。

オメガの場合、限定モデルが評価される傾向がありますが、それは「限定モデルだから」というよりも、限定モデルに尖った内容のものが多いからでしょう。

そういった意味では、この311.30.44.50.01.001も十分尖った内容であるため、評価されても不思議でないわけです。

ただ、スピードマスターにおいてエナメル文字盤が採用されたのはこの311.30.44.50.01.001が最初ではありません。

2007年に50周年記念モデルとして、1957本限定で登場した311.33.42.50.01.001にもエナメル文字盤が採用いるのですが、そちらは「手巻き」この311.30.44.50.01.001「自動巻」となっています。

どちらも裏スケ仕様ですが、この311.30.44.50.01.001は、ムーンウォッチ的な要素を「見た目だけ」と割り切って、自動巻ムーブメントを採用しています。

その結果、

  • 裏スケ
  • 自動巻
  • コーアクシャル仕様
  • サファイアクリスタル風貌
  • といったムーンウォッチでは採用できない仕様がてんこ盛り。むしろ、高級なムーンウォッチ的存在として、稀有な存在となっているようにも感じます。

    ムーンウォッチ的な見た目で自動巻採用というのは、不人気要素となってしまいそうなところですが、コーアクシャル脱進機などはムーンウォッチに採用しづらく、最新オメガの売りを盛り込めないというジレンマがあるわけで、エナメル文字盤とともに、割り切ってそれを解消したというのは、尖った内容だといえるでしょう。

    そういったことから、311.30.44.50.01.001はきちんと評価されているのだと思います。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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