20年ほど前から、「人気モデルはデビュー年が最も高い」という常識がありましたが、2016年にデビューしたデイトナ116500LNはそのような前例を打破。デビューした2016年の新品実勢価格(プレミア価格、安い順の3社平均値)よりも、翌年2017年の中古ボトム価格のほうが高いという現象を生み出したのです。
そのような前例ができると、その他モデルも「後に続け!」といった感じで、そういった動きが見られるようになったと感じます。
けれども、結果的には全てのモデルが116500LNと同じようになったわけではありませんでした。
中でもこのシードゥエラー126600は、かなりインパクトのあるデビューを果たした存在であるにも関わらず、116500LNのような現象が起こらなかった存在であるのです。
126600は、これまで幻だった「赤シード」の復活を遂げたモデルで、シードゥエラーとしては初めてサイクロップレンズを有する存在です。
そのようなインパクトだったため、2017年11月における新品実勢価格(安い順の3社平均値)は約164万円という水準。定価は約116万円であるため、50万円ほどのプレミアムとなっていたわけです。
そして、116500LNと同じ現象がこの126600に起こったならば、2018年の中古水準が2017年11月の新品実勢価格を上回ったはずです。まして、2018年といえば、2017年からの上昇トレンドが続いていた時代ですから、そうなる環境は整っていたといえます。
けれども、126600の2018年における中古水準は、2017年11月の新品実勢価格を上回ることがなかったのです。
最初に確認したのは2018年8月ですが、その際の中古ボトム価格は約161万円でした。この時点では、2017年の新品水準を上回っていなかったものの、それに遜色ない中古相場となっていたため、優秀という見方もできたといえます。
しかし、同じ2018年の10月、126600はなぜか下落。その中古ボトム価格は約148万円となってしまったのです。
その時期目立った下落トレンドはなかったわけですから、この126600の下落は気になる値動きだったといえます。
デビュー翌年という時期において、これほどの値下がりとなるのは、近年の人気モデルでは珍しいともいえたため、2008年のミルガウスを思い出してしまうような様子だったともいえるでしょう。
ミルガウスの場合、リーマンショックが発生したことによってかなりな値下がりとなったわけですが、その後多くの腕時計が回復しても値上がりすることなく、2007年のデビュー時と今とでは、ロレックスにおける価格序列がかなり異なるわけです。
この126600とミルガウスに共通するのは「復活」という要素ですが、どちらも“廃止された後に大注目”となった要素を復活させた点が共通しているのです。
実際、この126600の印象は2018年以降、「目立った値動きをする」とはいえない様子となっていました。
また、2019年上半期といえば、目立った上昇となっていた人気モデルが多かった時期ですが、その頃、126600は158万円に回復したに過ぎませんでした。他のモデルの事例であれば、過去最安値を更新といった値動きも珍しくなかったのが、2018年10月以上、2018年8月以下という水準にとどまっていたわけです。
その一方、2019年夏の下落トレンド時は、それほど大きな影響を受けることがありませんでした。
そうかと思ったら、2020年4月の新型コロナによる再度の下落トレンドでは、126600は大きく下落。その結果、ボトム価格は約138万円となり、「1年で約19万円の値下がり」といった様子を見せていたのです。
そんな126600ですが、7月の今、多くの時計が回復しているのと同じように4月水準よりも上昇している様子があります。
現在水準は約150万円なのですが、これは3ヶ月で約11万円の上昇といったところであります。
ロレックスシードゥエラー126600の価格比較
時計名 | 状態 | 2020年4月の安値 | 期間 | 2020年7月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス シードゥエラー 126600 |
中古 | ¥1,386,000 | 0年 3ヶ月 |
¥1,502,600 | 116,600 | 108.41% |