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2016年7月26日更新

真面目な時計、オメガ『デビル』プレステージ 4520.31

このモデルは90年代後半あたりの年式で手巻きの機械を搭載。

同じような見た目で自動巻きも存在しますし、これまた似たような見た目でコーアクシャル機構搭載モデルも存在。

上記を安い順で表すと、手巻き<自動巻<自動巻コーアクシャル という感じになります。
(それぞれブレスモデルと革ベルトが存在)

エレガントなデザインのデビルオメガの高級ラグジュアリーモデルかと思ってしまいますが、意外にも定価の段階でシーマスターシリーズ等々よりも安価なモデル

これだけドレッシーな見た目、そして手巻きの機械搭載なのですから、シーマスターより高くしても良かったのでは?と思います。

しかし、そんなところがオメガ“時計屋”として真面目なとこなのでしょう。

ブランディングを主軸に考えればシーマスターより高くするという選択肢になるでしょう。

しかし、それをしなかったのは、機能そのものが価格に反映されていたからだと思います。

つまり、シーマスターは『防水』という機構を有しているからデビルより高いのである。

そういう真っ当な理由で値付けをしただけ、ということなのでしょう。

オメガの高級モデルは“プロフェッショナル”がつくスピードマスターシーマスターで、どちらも特殊機能という位置づけになっています。

例えばスピードマスターパテックフィリップではグラコン扱いのクロノグラフですし、かつてのNASA公式というお墨付き。

一方のシーマスタープロフェッショナルは300m防水という高い防水性能です。

そして、オメガのドレスウォッチで高級なのはこのデビルじゃなくてコンステレーション

しかし、90年代後半のオメガコンステレーション含めどの時計も中古となると10万円台前後といったところです。

オメガの中だけで、各モデルの序列を確かめると納得できるのですが、他のブランドと比べるとありがたさが弱い

それが、現在の相場に反映されているのでしょう。

ただ、デビルに関してはかつての流通価格が安かった&今も同じ相場なので、いつ買ってもほぼプラマイ0の状況。

しかし、モノが多々あり、同じ時期でも値段がバラバラのため利益を狙うには要注意の時計です。

まじめに作られた良い時計だけに、メーカー側がブランディングをもっと重視してくれれば時計自体の評価も変わるのでは?と思わせてくれる腕時計です。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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