パネライがリシュモングループ入りしたのは1997年ですが、その年から2004年頃までの間が、リシュモン初期世代といえるかと思います。
その時代、ルミノールとラジオミールははっきりキャラクターが異なり、ラジオミールは高級ドレス系を担っていました。
当初は限定モデルが主な展開でしたが、2000年頃から通常モデルが少しづつデビュー。とはいえ、それらは「通常モデル」とはいえ、かなり尖った高級モデルだったのです。
搭載されるムーブメントはゼニスエリートで、ケースはWGやPG。そのため、随分高いという印象がありました。
その高級世代ラジオミールは、2004年頃を分岐点として、キャラクターが変わるのですが、分かりやすい変化は搭載されるムーブメントがゼニスからJLCになったことでしょう。
パネライは古ければ古いほうが高いという傾向がありますが、それに基づくと、高級ラジオミールもJLCよりゼニス搭載世代のほうが評価される傾向があるといえます。
実際、JLC世代はSSとPGが同じようにラインナップされた一方、ゼニス世代だとPGが基本、SSはレアといった印象がったことも、そういった評価に影響するかと思います。
さて、ここで重要なのはゼニス世代において、SSが貴重だったという点。SSラジオミールの初期モデルは、デッドストックムーブメントを搭載したかなりな高級品だったのですが、今の感覚ですと、ランゲ&ゾーネのSSが「レア」といった感覚に近かったといえます。
もちろん、2000年以降はSSが増えてきたのですが、そうはいっても通常モデルは98番と141番ぐらいしかなく、どちらもあまり数が多くありません。
98番はGMTアラームですが、これはもともと限定モデルとして存在していた46番を通常モデル化したという印象。46番はWGでしたが、SSの98番もそれなりに高級な印象だったといえます。
そして、141番は、PGやWGのSSモデルといった役割だったのですが、全く同じ内容ではなく、ケースサイズがやや大きめかつインデックスがアプライド仕様という差があります。やはりこれが、SSの特別感やレアさを演出しており、ゼニス世代のレアSSというイメージ通りなキャラクターだといえます。
また、141番はゼニス最終世代の2002年にデビューしたため、1年で生産終了。限定モデル扱いでないにも関わらず、500本程度の製造であるため、かなりレアなのです。
そんな141番ですが、数が少なく知名度もあまりなかったことから、これまであまり目立って上昇とはなっていませんでした。特に2017年⇒2019年の値動きでは値下がりとなっていたのです。
しかし今回、そんな141番に変化が生じているのです。
現在、PAM00141は約79万円なのですが、これは2019年5月水準に対して約15万円の値上がり。もちろん、2017年水準よりも高い水準となっています。
オフィチーネパネライラジオミールPAM00141の価格比較
時計名 | 状態 | 2019年5月の安値 | 期間 | 2020年8月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
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オフィチーネパネライ ラジオミール PAM00141 |
中古 | ¥645,000 | 1年 3ヶ月 |
¥798,000 | 153,000 | 123.72% |