腕時計投資新聞

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2020年11月20日更新

阿部泰治のパテック論 ~第34回~

みなさんこんにちは。

アメリカ大統領選挙がありましたが、高級時計にはドル建てのモノも多い為、私共もしっかりと経済状況を確認して店舗運営に励んでいきたいと思います。

さて、今回も最近入荷があった【 パテックフィリップ 】の時計の魅力をこちらのコラムを使ってご紹介させていただきます。人気モデル、国内正規販売価格から考えますとお得感のあるモデル、2018年に新作として発表され中古市場でもあまり見ないゴージャスなモデルをご紹介させていただきたいと思います。

*既に販売済みのアイテムもございます。

Ref.6006G-001 カラトラバ 18KWG

パテックフィリップ 】では珍しいポインターデイトを採用し、針先の赤がアクセントとなっている「Ref.6006G-001

2017年の新作として、搭載キャリバー240の誕生40周年を記念したモデルで、2005年に発表された「Ref.6000」の後継モデルです。ケース径が2mmサイズアップし大型化されて発表されました。搭載キャリバー240の構造上、一般的な時計に見られるセンターセコンドや6時側にあるスモールセコンドではなく、4時位置辺りにスモールセコンドがある【 パテックフィリップ 】のコレクションとしては数少ないアシンメトリー(左右非対称)なモデルとなっています。

さらにこれまでの【 パテックフィリップ 】には見られなかった、スポーティと言うべきか?それともカジュアルと言うべきか?このアラビア数字のインデックスが、先代の「Ref.6000」のデビュー当時、【 パテックフィリップ 】の時計らしくないと賛否両論があったのが記憶に残っています。

先代の「Ref.6000」はグレー、青、茶とカラフルな文字盤のバリエーションがありましたが、今回は18KWG(ホワイトゴールド)ケースにシンプルな黒文字盤の組み合わせと、渋く端整な顔立ちに仕上がっていると思います。ポインターデイト針先の赤色も黒の文字盤にとても映えていますね。

シースルーバックの裏蓋からは、マイクロローターを採用した薄型ムーブメントを眺めることができます。今回販売している時計は、使用による軽微なスレはございますが、目立つようなキズは見受けられず、ケースはしっかりしております。2018年の6月に販売がされている現行仕様の保証書でワンオーナー品であるというのもオススメのポイントです。付属品もカレンダーのセッティングピンも含めて完備です。

こちらは2020年度の生産終了モデルとなっており、僅か3年という短命のため、人と被りたくない方にもおすすめの一本です。ドレスでもカジュアルでも、あらゆるシーンで使用が可能な個性的なデザインが魅力の【 パテックフィリップ 】「Ref.6006G-001」。是非店頭に見にいらして下さい。

Ref.5167A-001 アクアノート エクストララージ SS

今さら説明不要かと思いますが【 パテックフィリップ 】の中で、ノーチラスと人気を2分する、アクアノートのエクストララージサイズSS(ステンレススチール)ケース「Ref.5167A-001

アクアノートは、もともとノーチラスからインスピレーションを得て創作された丸みを帯びた8角形のケース、防水性、牽引耐性、紫外線耐性に優れたハイテク・コンポジット素材の《トロピカル》バンドにより、1997年に発表され大きな話題を呼びました。コンポジット素材をストラップに仕様した” トロピカルバンド ”はアクアノートの代名詞でもあり、その中でもSS(ステンレススチール)ケースは特に人気であります。

今回コミットで販売している「Ref.5167A-001」ですが、特筆すべき点は極めて高年式の個体であるというのと、全く使用がされていない未使用品で、トロピカルバンドの長さも比較的長め、且つSS(ステンレススチール)製のフォールディングバックルも一部保護シールが残っているということです。

パテックフィリップ 】の時計は、状態はもちろんですが、保証書の販売日付が高年式であることで販売価格がかなり変わってきます。SS(ステンレススチール)モデルは特に人気で、国内正規販売価格から考えると、状態や年式にもよりますが、市場での販売価格は倍に届く勢いになっていると思います。

その事を考えますと、今回ご紹介する「Ref.5167A-001」は入手するのに強くオススメ出来る時計です。2020年10月よりパテックフィリップの国内正規販売価格が改定されております。既にお気付きの方もいらっしゃると思いますが、こちらのモデルにつきましても20万円以上販売価格が上がっております。今後も市場での流通量を考えると世界的な経済危機や金融危機でも起きない限りは、価格が下がって行くことはないと思われます。

まとめ

ここのところの市場動向、流通状況、国内外での販売価格を見ていると、モデルにもよりますが、中古市場での販売価格は上がって来ている気がします。そして、時計を買われる方の傾向が変わり、資産性を考慮した買い方をされる方も、より顕著に増えていると思います。

例えば、ロレックスでも1位2位を争う人気のデイトナは、デザイン自体もとてもカッコ良い時計ではありますが、資産価値も高く、そこを重視して購入されている方が非常に多いです。

今回ご紹介した【 パテックフィリップ 】のアクアノートノーチラスも、ここ数年でデイトナと同じ様な傾向で買われる方が増えています。

私自身は、時計をその時その時の時価(適正価格)で販売、仕入れする事を仕事として20年近くやってきました。ですので、時計が将来的にどのような評価がされ、価値を生み出すかということをお伝えすることは、そもそも本来の時計屋の仕事なのか?と疑問に思う事すらありますが、もうそんな事は言ってられない状況になってきています。

もちろん20年近く時計の仕事に携わってきましたので、ある程度の「流れ」は経験値をもとにアドバイスもできることはあります。

ホームページで時計の状態や付属品についてのご確認はいただけますが、そういった点含めて、気になる点、お知りになりたい点がございましたら是非是非お問い合わせください。

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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