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2020年12月12日更新

阿部泰治のパテック論 ~第37回~

みなさんこんばんは。

本日も11月29日(日)に、香港で開催された

のオークション結果に基づき【 パテックフィリップ 】の時計について、その中で私が気になった時計を中心に、お話ししていきたいと思います。

*価格については、オークションの落札価格に手数料(26%)が入った金額となっております。
*日本円につきましては、オークション開催直近レートを参照しております。
*HKD(香港ドル)=13.87円
*画像は全て【PHILLIPS】を参照しております。

Lot.832 ノーチラス 18KRG Ref.5723/1R-010

HKD 2,079,000(JPY 28,835,730)

ノーチラスのラージサイズ「Ref.5711」の18KRG(ローズゴールド)ケースにバゲットカットのダイヤモンドがベゼルにセットされたラグジュアリー仕様です。ダブルファクトリーシールド(完全未開封)という状態もコレクター向けです。是非とも実物を見てみたい時計ですね。

Lot.835 セレスティアル 18KRG Ref.6104R-001


HKD 3,339,000(JPY 46,311,930)

天空の動きを再現する星座表を搭載したセレスティアル。いつでも好きな時に北半球の星と月の動き、そして月の満ち欠けを文字盤上で見ることができます。とてもロマンのある時計で、ベゼルにはバゲットカットのダイヤモンドが惜しげもなくセットされています。まさに夢のような時計ですね。

Lot.836 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ Platinum Ref.5271/12P-001

HKD 2,457,000(JPY 34,078,590)

現行モデル、パーペチュアルカレンダー・クロノグラフのバゲットダイヤベゼル「Ref.5271P」のベゼルがルビー仕様になっているのが、こちらの時計です。そもそもとてもレアな時計ではありますが、こちらも先程のノーチラス同様、ダブルファクトリーシールド。こちらもコレクター向きの時計であり、是非とも実物を見てみたい時計です。

Lot.871 パーペチュアルカレンダー・ムーンフェイズ 18KYG Ref.3448


HKD 2,142,000(JPY 29,709,540)

1962年に発売され、世界で初めて腕時計に自動巻のムーブメントをパーペチュアルカレンダーに搭載したと言われているモデルです。文字盤・ケースともに状態も良く、オリジナルの保証書も付いた、こちらもコレクションピースにもってこいの個体です。なかなか実物を見る機会は少ないですが、私も過去に何本か見ております。とても良い時計で完成されたデザインであると、改めて感じますね。

Lot.872 ノーチラス ジャンボ SS Ref.3700/001


HKD 1,701,000(JPY 23,592,870)

ノーチラスの初代ジャンボ「Ref.3700」のSS(ステンレススチール)ケースでオリジナルの保証書、コルク製の箱が付いた納得の個体です。文字盤インデックス、針夜光の良い感じのヤケもとてもそそられます(笑)しかも、文字盤6時位置に知る人ぞ知るリテイラー「Gubelin」のWネームモデルです。高くて手が出ないですが、納得の落札価格です。

Lot.885 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ Platinum Ref.5971P


HKD 1,890,000(JPY 26,214300)

レマニアベースのムーブメントを搭載した人気のパーペチュアルカレンダー・クロノグラフ「Ref.5970」シリーズのPlatinum(プラチナ)ケースにバゲットダイヤモンドベゼルを配した「Ref.5971P」。最近はめっきり実物を見る機会も無くなってしまいましたが、過去には複数本見ており、とてもカッコよく存在感がある時計です。無理ではありますが、自分が所有してみたい時計の1本に間違いなく入ります。

Lot.927 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ Platinum Ref.3970EP-021


HKD 1,134,000(JPY 15,728,580)

レマニア製のムーブメントを搭載した、人気のパーペチュアルカレンダー・クロノグラフ「Ref.3970」のPT(プラチナ)ケース×シルバー文字盤の仕様です。製造が比較的後期にあたる点と、未開封であるシングルシールドの状態が高値の落札に繋がったと思います。個人的な意見ではありますが、針、インデックスに夜光がないので、シルバー文字盤は視認性が良く、着用するのにも適していると思います。

Lot.928 クロノグラフ Platinum Ref.5070P-001


HKD 1.386,000(JPY 19,223,820)

珍しくジュネーブに続き香港でも出品のあった、レマニアベースのムーブメントを搭載した二つ目クロノグラフ「Re.5070」の10周年を記念して、2008年に発表されたPT(プラチナ)ケース×ブルー文字盤の組み合わせが非常にかっこいい「Ref.5070P-001」。製造期間も2年ほどと短く、気がつけば市場でも2,000万円以上の販売価格が付いている時計です。オークションでの落札価格も安定していますね。

Lot.975 パーペチュアルカレンダー・ムーンフェイズ 18KYG Ref.2438/1


HKD 2,142,000(JPY 29,709,540)

1951年に発売され1962年まで製造された、世界で初めてセンターセコンド(秒針)があるパーペチュアルカレンダー搭載モデルと言われている「Ref.2438/1」。裏蓋がスクリューバックの仕様が「Ref.2438/1」、裏蓋がスナップバックの仕様が「Ref.2497」です。どちらかと言えば、防水性が高い「Ref.2438/1」の方が人気が高いと思われます。「Ref.2438/1」で18KYG (イエローゴールド)仕様は35本しか製造されていないそうです。極めてレアなモデルですが、ケースコンディションも良く納得の落札価格です。

Lot.979 パーペチュアルカレンダー・ムーンフェイズ 18KYG Ref.3450


HKD 2,205,000(JPY 30,583,350)

Lot.871の自動巻パーペチュアルカレンダー「Ref.3448」に閏年表示の窓が付いたモデル「Ref.3450」(文字盤3時位置と4時位置の間)。製造期間も短期間で、製造個数も237本と少なく、このようにコンディションが良く、オリジナルの保証書が付いている個体はなかなかオークションでも見かけないと思います。落札価格が日本円で3000万円に達したのも納得です。

Lot.987 セレスティアル 18KWG Ref.6104G-001


HKD 3,654,000(JPY 50,680,980)

Lot.835でもご紹介した「Ref.6104R-001」は現行でもカタログに掲載がある18KRG(ローズゴールド)ケースのモデルですが、こちらは既に生産が終了している18KWG(ホワイトゴールド)ケースのモデルです。とてもキレイなブルーを基調とした文字盤に、ポインターデイトを指す針先の赤が良く映えます。さらに、バゲットカットのダイヤモンドベゼルが、天空の星座表を表す文字盤を、より際立たせています。ホームページに掲載はしておりませんが、コミットでも過去にこちらのモデルの販売実績がございます。実際に時計を見ると、大袈裟ではありますが吸い込まれるような、魅力的な時計でありました。オークションの結果ではありますが、当時の販売価格より高値での落札でしたので、自分としても嬉しく思いました。

まとめ

11月29日(日)に香港で開催された【PHILLIPS*フィリップス】のオークション結果を、私の気になる【 パテックフィリップ 】を抜粋し、お話させて頂きましたがいかがでしたでしょうか。

まだまだ他にも【 パテックフィリップ 】の時計が多数出品されておりましたが、今回はこの辺りで終わらせて頂きます。

やはり、普段見ることが出来ない超絶モデルや非常に希少なアンティークの時計を見れるのも、海外オークションならではですね。

現在、CVWD【CommitVintageWatchDictionary】でも、世界オークションの記事を掲載しておりますので、ご興味のある方はご覧になってください。

ではまた!

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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