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【2020年度版】機械式腕時計 ”ヴァシュロン・コンスタンタンのおすすめモデル8選”

パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲとともに世界三大高級時計メーカーの一つとされている「ヴァシュロン・コンスタンタン」

1755年創業の時計ブランドで、ジャン=マルク・ヴァシュロンが時計工房を立ち上げたことにより誕生しました。クォーツショックや大戦の影響などで休業を余儀なくされたブランドもありましたが、同ブランドは絶えることなく時計を製造してきたメーカーとして、創業265年と世界最古とされています。

ヴァシュロン・コンスタンタンというと、洗練されたデザインと美しいムーブメントが大人の男性を演出してくれるブランドというイメージが強い方も多いのではないかと思います。しかしながら、近年人気に拍車がかかっているオーヴァーシーズなどのスポーツラグジュアリーモデルもあり、若い方からの支持も拡がってきている印象です。

今回はそんなヴァシュロン・コンスタンタンのおすすめ現行モデルを紹介したいと思います。

おすすめモデル① オーヴァーシーズ・オートマティック 4500V/110A-B128

ヴァシュロンのラグジュアリースポーツウォッチ、オーヴァーシーズ。

現在、ヴァシュロンの中でも、正規店で容易に購入ができないモデルとなった同ブランドの人気筆頭モデルです。2016年にモデルチェンジが行われており、マルタ十字を2つ重ねた8つのベゼルデザインが6つに、ケース径は従来のモデルより1mm小さい41mmに変更されています。また、針は細身に、バーインデックス、シースルーバック仕様へと変更がされています。

今回ご紹介しているブルー文字盤は深みがあり美しい色目です。他ブランド含めて、ここのところのブルー人気は凄いですね。ヴァシュロンのオーヴァーシーズもブルー文字盤は特に値上がりしており、中古市場でも手に入りにくくなっています。

また、もうひとつの人気要素として、アリゲーターストラップとラバーストラップが付属しており、工具を一切必要とせずワンタッチで交換することが可能な点が挙げられます。シーンや用途に合わせてブレスレットを容易に変更できる点も人気に拍車をかけたのかなと思います。

参考定価 ¥2,420,000

おすすめモデル② フィフティーシックス・オートマティック 4600E/110A-B487

ヴァシュロン・コンスタンタンが1956年に発表した名機、6073にインスピレーションを受けて2018年に新作として発表されたフィフティシックス オートマチック。伝統を踏襲しながらも、単なる復刻とせずに、現代的なデザインを取込みながらブラッシュアップが図られています。6073でラグ部分に大きく用いられたマルタ十字のモチーフは、ラグとケースの間を彩るデザインに現代的な要素を取り入れつつ、単なるラウンドケースに終わらせずエレガントなフォルムに仕上げられています。シースルーバックからは、リシュモングループで共同製作された、マルタ十字オープンワークの22金製ローターの美しい自動巻きキャリバー1326を眺めることができます。SS(ステンレススティール)製のブレスレットは、4mmまで長さを調整できるイージーフィットシステムを備えていて、快適な着け心地となっています。洗練されたシンプルなデザインが、ラグジュアリーウォッチの魅力を凝縮したモデルとなっていて、著者個人的に、オーヴァーシーズに続いて、今一番オススメしたいモデルです。こちらは、2019年に新た追加されたブルーダイヤルです。

参考定価 ¥1,531,200


【出典】ヴァシュロンコンスタンタン

おすすめモデル③ パトリモニー・オートマティック 85180/000R-9166

ヴァシュロンコンスタンタンが誇るドレスウォッチ、パトリモニー。40mmのケースサイズにデイト表示を採用したシンプルかつ洗練されたモデルです。1950年代のデザインに着想を得たというインデックスと針は、文字盤の緩やかな曲線(わずかに膨らんでいるボンベ文字盤)に沿って取り付けられています。黒に近いダークグレー色の文字盤に、落ち着いたピンクゴールド素材のケースの組み合わせが、高級感があり上品な印象です。ケース厚はわずか8.55mmで、3針のデイト付きケースとしては非常に薄いのも特徴です。シンプルなデザインながら、大人の色気を感じるモデルですね。

参考定価 ¥3,212,000


【出典】ヴァシュロンコンスタンタン

おすすめモデル④ ヒストリーク・アメリカン 1921 82035/000R-9359

1920年代の米国市場向けにデザインされ、1921年発表のモデルを元に製作されているヒストリーク アメリカン。創造性豊かなデザインと厳格な基準に則った8mmという薄いキャリバー4400を組み合わせています。

こちらは、2009年にジュネーブで発表されたモデルで、前年にアメリカ限定で発売されていたモデルのレギュラー化をした時計です。このモデルで一番特徴的なスクエアケースには、18Kピンクゴールドが使用されています。文字盤はあえて傾けてセッティングしており、造形美が感じられる1本です。ラグジュラリーなイメージが強いヴァシュロンですが、遊び心溢れるデザインが人気のモデルです。

参考定価 ¥4,180,000円

おすすめモデル⑤ オーヴァーシーズ・クロノグラフ 5500V/110A-B481

名門ヴァシュロン・コンスタンタンのラグジュアリースポーツウォッチ、オーヴァーシーズのクロノグラフ搭載モデルです。三針モデルとともに、ここのところ非常に人気があるように感じます。

こちらは2016年に発表されたオーヴァーシーズクロノグラフで、ブラックダイヤル仕様は2018年に新たに追加されたダイヤルとなります。従来のモデル49150/B01A-9095に比べ、ケースはやや丸みを帯びていて、特徴的なベゼルは2重構造になっています。また、積算計だけでなく日付位置も変更され、12時位置のクロノグラフ針に重なっていた配置から4時側へ移されています。針の太さやバーの夜光もやや細くなったものの、インダイヤルに分刻みの目盛りを加えることにより、視認性が向上しています。

こちらのオーヴァーシーズも、アリゲーターベルトとラバーベルトが付属しており、簡単に取り換え可能なため、気分やシーンで変更することが出来ます。

参考定価 ¥3,498,000

おすすめモデル⑥ パトリモニー・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー 43175/000R-9687

2019年の新作モデルで、ケース径が41.0mm、ケース厚が8.9mmという薄さながら、パーペチュアルカレンダーを搭載したモデルです。18Kピンクゴールド製のケースには、厚さわずか4.05mmの超薄型の自動巻きムーブメントが搭載されており、2100年まで調整の必要がありません。ムーンフェイズには、鮮やかなブルーの夜空と2つのゴールドの月が取り付けられていて、その色目、デザインに目を奪われます。こちらはパーペチュアルカレンダーでは初となるブルー文字盤もブティック限定で販売されています。定価ベースですとかなり高額の時計ですので、程度の良い中古品があれば、購入を検討するのもありなのではないでしょうか。

参考定価 ¥9,152,000

【出典】ヴァシュロンコンスタンタン

おすすめモデル⑦ オーヴァーシーズ・デュアルタイム7900V/110A-B334

2018年にSIHHで発表されたオーヴァーシーズ デュアルタイム。デュアルタイムは、第二タイムゾーンの表示の他、複数の時刻を使い分ける事が可能なモデルです。前作と異なる点は、ダイヤル上のセカンドタイムゾーン表示が無くなったこと、2時位置にあった操作ボタンが4時位置へ移動している点です。また、GMT針が新たに配され、視認性が改善されています。ブルーのダイヤル(スモールセコンド)にはギョーシェ彫りが施され、スポーティな外観に繊細さと高級感が感じられる仕様となっています。シンボルマークであるマルタ十字がモチーフになっており、ケースバックには帆船が刻印されています。ラインナップはブルー、ブラック、シルバーとなっています。

今回ご紹介したブルー文字盤ももちろんかっこいいのですが、ブラック、シルバー文字盤はGMT針に赤という差し色を使っていて、良いアクセントになっていてカッコイイです。

参考定価 ¥2,926,000

おすすめモデル⑧ トラディショナル・マニュアルワインディング 82172/000P-9811

パテックフィリップカラトラバとデザイン性などで比較されるパトリモニーですが、こちらは素材にプラチナが使用されているモデルです。クラシカルな雰囲気を持ちつつ、無駄を省いたそのシンプルなデザインは美しいの一言です。2009年に発表された手巻きキャリバーCal.4400は、ムーブメント径は大きいですが、厚みが約8mmに抑えられており、非常に薄く設計されています。その薄さにもかかわらず、約3日間のパワーリザーブを備えており、シースルーケースバックからは細部にこだわった美しい仕上げを眺めることができます。

ロレックスのプラチナモデルにのみに採用されているアイスブルー文字盤と同様、見る人が見ると分かるさりげないポイントとして、プラチナ専用色のスレートグレーダイヤルとなっています。

参考定価 ¥3,278,000


【出典】ヴァシュロンコンスタンタン

まとめ

いかがでしたでしょうか。

現行モデルを紹介しているコラムではありますが、個人的に思い入れがある時計として、ヴァシュロン・コンスタンタン 「222」があります。1977年にヴァシュロン・コンスタンタン社の創立222周年を記念して発売された限定モデル(デザイナーはヨルグ・イゼック氏)ですね。海外オークションなどで高額となっていますが、ジェラルドジェンタ氏がデザインしオーデマ・ピゲから1972年に発売された「ロイヤルオーク」や、1976年に同氏がデザインしパテック・フィリップから発売された「ノーチラス」をはじめ、この時代に現在の人気時計のデザインの礎が築かれたように思います。世界三大高級時計メーカーの一角として、その歴史とともに今後のヴァシュロンコンスタンタンの動向に注目していきたいと思います。

Text By Yoichiro Yamashita

●この記事の執筆者
金子剛
コミット銀座 鑑定士 (時計鑑定歴15年) 2020年よりエグゼクティブ・アドバイザー就任。 腕時計の知識、相場観には定評があり、特にヴィンテージロレックスのマニア気質が高い。 現在、ヴィンテージロレックスに特化したサイト、CVWD.JPを制作。

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