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2021年1月4日更新

【2020年度版】機械式腕時計 ” オーデマ・ピゲのおすすめモデル8選”

【2020年度版】機械式腕時計 ” オーデマ・ピゲのおすすめモデル8選”

パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンとともに世界三大高級時計メーカーの一つとされている「オーデマ・ピゲ」

1875年に、ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オギュスト・ピゲによってムーブメント製作会社として設立されました。有名高級時計ブランドとしては珍しく、今日に至るまで、創業家による経営が続いているブランドでもあります。また、パテック・フィリップやランゲ&ゾーネ同様、創業以来、製造したすべての時計の修理を行っている数少ないメーカーです。

そしてオーデマ・ピゲといえば、ジェラルド・ジェンタ氏がデザインし1972年に発売されたロイヤルオークがあまりにも有名ですね。

今回はそんなオーデマ・ピゲのおすすめ現行モデルを紹介したいと思います。

おすすめモデル① ロイヤルオーク “ジャンボ” エクストラシン 15202ST.OO.1240ST.01

オーデマ・ピゲの代表作ともいえる「ロイヤルオーク」誕生40周年を記念した復刻モデルです。オーデマ・ピゲでコラムを書こうと考えた際に、やはり最初にこのモデルが頭にぱっと浮かびましたので、遠慮なく一番初めに書きます(笑)

1972年発表当時と同じ39mmのケースに、オリジナルモデルと同じ薄型自動巻式キャリバー「Cal. 2121」を搭載しています。当時からすると39mmのケースサイズは非常に大きく、別名「ジャンボ」という名をつけられたほど、衝撃的なデビューだったようですね。復刻モデルにも関わらず、古さを感じさせない現代的なモデルになっていて、非の打ち所がない完成されたデザインだと思います。

言わずもがな、非常に人気があります。非の打ち所があるとしたら、正規店では入手ができないことくらいでしょうか(笑)パテック・フィリップのノーチラスとこちらのロイヤルオークがブルー文字盤の火付け役と言って相違ないですね。


参考定価 ¥2,970,000

おすすめモデル② CODE11.59 15210CR.OO.A002CR.01

2019年のSIHHにて、ロイヤルオークジュールオーデマ、オフショアに続き、約26年ぶりの新コレクションとして発表されたCODE11.59。開発とデザインにおよそ5年の歳月がかけられたそうで、オーデマ・ピゲの力の入れようが感じられます。

CODE11.59のオートマティックは全部で6つのラインナップがあり、18KWG(ホワイトゴールド)ケースのダイヤルは、グレー、グレー/ブラック、ブラック、バーガンディー、18KPG(ピンクゴールド)ケースのダイヤルは、パープル、ブルーと、深みがある色彩豊かなカラー展開となっています。

今回紹介するコンビモデルは、バイカラーの18KWG(ホワイトゴールド)ケース、ミドルケース(八角形)のみ18KPG(ピンクゴールド)を採用するという、3層ケース構造を活かした独特のデザインとなっています。ラウンドフォルムケースに挟まれる形でミドルケースがオクタゴンになっているのが、フラグシップモデルのロイヤルオークをさり気なく彷彿とさせます。ラグにもロイヤルオークのベゼルに使用されているビス留めが採用されており、これもまたニクい演出ですね。総生産数の2割程度を、CODE11.59の生産に注力するという公表がありましたが、ロイヤルオークと双璧の主力製品として位置づけしたいモデルのようですね。


【出典】オーデマ・ピゲ
参考定価 ¥3,080,000

おすすめモデル③ ジュール オーデマ オートマティック 15170OR.OO.A809CR.01

ブランド創業者のジュール=ルイ・オーデマの名前を冠したコレクションでもあり、クラシカルなケースが特徴のドレスウォッチ「ジュール・オーデマ」

シルバー文字盤に程よい大きさ(39mm)の18KPG(ピンクゴールド)ケースと針が美しいモデルです。ダイヤルは中央から放射状に広がるギョーシェ彫りが施されており、立体感と高級感がありますね。約9mmと薄型でありながら、ジャイロマックステンプ(緩急調節機能付きのテンプ)を採用し、パワーリザーブも60時間を確保した自社製自動巻きムーブメントのCal.3120を搭載しています。リューズはあえて小さめに設計されていて、鏡面仕上げされたベゼルの美しいさが際立つようにデザインされています。

パテックフィリップカラトラバとはまた異なる魅力を備えた、オーデマ・ピゲならではの落ち着きが感じられる、シンプルながら大人の色気を感じるモデルですね。


【出典】オーデマ・ピゲ
参考定価 ¥2,640,000

おすすめモデル④ロイヤル オーク オートマティック 15500ST.OO.1220ST.03

2019年の新作モデルで、不動の人気モデル「ロイヤルオーク 15500ST

グランド・タペストリーパターンのブラックダイヤルは継承しつつ、インデックスが太くなっており視認性が向上されています。文字盤6時位置のAUTOMATIC表記がなくなる事で前作の「15400」とは印象の違う新しいロイヤルオークとなっています。また、前作より刷新された点として、オーデマ・ピゲ開発の新ムーヴメント「Cal.4302」を搭載しています。振動数が28,800振動に改良され、パワーリザーブが60時間から70時間に改良されています。

こちらは41mmのケース径ですが、「15450」の37mmのケースと比較し、腕回りの太さやお好みの装着感で選ばれて良いと思います。文字盤は、ブルー、グレー、ブラック、シルバーがあります。

正規店ですと見比べることが難しいと思いますが、コミット銀座ではお客様に見比べていただけるよう買取、委託を強化しているモデルでもあります。


参考定価 ¥2,365,000円

おすすめモデル⑤ ロイヤル オーク クロノグラフ 26331ST.OO.1220ST.03

オーデマピゲの代表作、ロイヤルオークにクロノグラフを搭載したモデル「26331ST」です。

1970年代初期のジェラルド・ジェンタのオリジナルデザインを踏襲しながら、ラグジュアリー感とデザイン性を併せ持ったモデルです。2012年にロイヤルオーク生誕40周年を迎えていて、クロノグラフのモデルもケースサイズが39mmから41mmケースにサイズアップされています。こちらは、クロノグラフを搭載するために開発された自社製ムーブメント、自動巻Cal.2385が採用されています。グランドタペストリー模様のシルバーのコンビカラーダイヤルに、9時位置と3時位置には大きくなったクロノグラフカウンターを備えています。オクタゴンにスリーカウンタークロノグラフの組み合わせ、率直にカッコいいです(語彙力がなくすみません)文字盤は、ブルー/シルバー、ブラック/シルバー、シルバー/ブラックがあります。


参考定価 ¥3,080,000

おすすめモデル⑥ロイヤル オーク オートマティック 15450ST.OO.1256ST.02

不動の人気モデルロイヤルオ-クのケースサイズが37mmのモデルです。

オーデマ・ピゲ製Cal.3120を使用しており、写真はグランド・タペストリーパターンのグレーダイヤルが採用されています。文字盤やインデックスのバランスなど、ロイヤルオークの美しさが際立ったモデルですね。ロレックスエクスプローラーⅠの36mm径(Ref.14270、Ref.114270)が未だに根強い人気を持っていますが、それは日本人の体格にはベストサイズだからこそと思います。

41mmのロイヤルオークが大きく感じられている方に、ケース径37mmは非常におススメです。文字盤はブルー、グレー、シルバーがありますが、ブラックがないのは意外なところですね。


参考定価 ¥2,255,000

おすすめモデル⑦ ロイヤル オーク ダブル バランスホイール オープンワーク 15407ST.OO.1220ST.01

約5年もの歳月を完成までに経たと言われる、ダブルバランスホイールオープンワークです。

オーデマピゲが2010年に開発した世界初の機構で、同年に特許を取得したものの、「15407ST」として完成され発売されたのは2016年です。2つのテンプとヒゲゼンマイが同軸上にセットされており、ヒゲゼンマイが交互に伸縮を行い、お互いに補完をしながら精度と安定性を大幅に向上させた機構を備えています。複雑なムーブメントを表面・背面の両方から眺めることができるのが最大の特徴で、パワーリザーブは約45時間と長くはないですが、「魅せる、見せる」為に仕上げられたムーブメントはとても美しいです。

生産数も非常に少なく、現在でも人気で品薄状態の希少モデルです。しかしながら、現在のプレミアム価格は本当に凄いですね。資産性という面でも良いモデルなのではないでしょうか。そういえば、所有されているお客様と話をする機会がありましたが、視認性(特に夜)は求めてはいけないようです(笑)


参考定価 ¥5,885,000

おすすめモデル⑧ ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ 26237ST.OO.1000ST.01

1993年にバーゼルワールド(旧バーゼルフェア)で発表された、ロイヤルオークの20周年記念モデル「オフショア Ref.25721ST

最後に紹介したいのは、2018年のSIHHで発表された、エマニュエル・ギュエのオリジナルデザインをほぼ忠実に再現し復刻したとされるモデル「Ref.26237ST」です。

エマニュエル・ギュエによる時計デザインとしては、ロレックスの「チェリーニ」が有名ですね。彼は言わずと知れたパテックフィリップノーチラス」を世に出したジェラルド・ジェンタの八角形ベゼルを踏襲しながら、当時としては驚異的に大きかったケースサイズをデザインしました。その大きさから”The Beast”という別名がつけられたモデルで、オーデマ・ピゲの社内でも大きすぎて売れないだろうと賛否両論があり、また、ロイヤルオークのデザイナーであるジェラルド・ジェンタはオーデマ・ピゲのブースに怒鳴り込んできたとも言われています。(笑)

確かに42mmのケース径に約15mmのケース厚は迫力とともに存在感がありますし、今でこそケース径の大型化が進んでいますが、当時はよりその衝撃が大きかったのでしょうね。縦目のスリーカウンタークロノグラフもカッコイイとあらためて思わせてくれたモデルです。


*写真はRef.25721ST
参考定価 ¥3,355,000

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今年最後の私のコラムとなるため、オーデマ・ピゲを取り上げてみました。オクタゴンまみれで申し訳ないと思っておりますが、カッコイイのだから仕方ない!(笑)あらためてロイヤルオークの完成されたデザインは素晴らしいですね。

さて、2020年はコロナウィルスの影響もあり経済状況も大変でしたが、皆様はどのような一年でしたでしょうか。わたしたちは、皆さまのおかげで今年も無事年末を迎えることができました。コラムの中ではございますが、あらためて御礼申し上げるとともに、皆さまと、皆さまの大切な方々の健康とご多幸をお祈り申し上げます。

2021年もコミット銀座をよろしくお願いいたします!

Text By Yoichiro Yamashita

●この記事の執筆者
金子剛
コミット銀座 鑑定士 (時計鑑定歴15年) 2020年よりエグゼクティブ・アドバイザー就任。 腕時計の知識、相場観には定評があり、特にヴィンテージロレックスのマニア気質が高い。 現在、ヴィンテージロレックスに特化したサイト、CVWD.JPを制作。

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