そのモデルにおける最終年式は、“高い”というイメージがありますが、中には例外もあります。
その際たる例が、エクスプローラーの14270と、GMTマスターの16700だったわけですが、これらは2年3年ぐらい前から最終年式がやや評価されるようになっています。
16700の最終モデルはA番ですが、2016年頃の段階では16700全体のボトム価格がA番ということも珍しくなく、最終年式としての評価が全くされていなかったわけです。
それが現在においては、A番は評価されている状況。ボトム価格の個体に対して20万円近く高いというのが最近の様子だといえます。
そして、エクスプローラー14270の最終についてですが、こちらの最終年式はP番であります。
P番といえば、デイトナ16520の最終年式でもありますが、デイトナの場合、ボトム価格の個体に対して200万円ぐらいのプレミアムがついています。
それに対して、これまで14270のP番は、それほど評価されることはなく、先ほどの16700同様、14270全体のボトム価格個体がP番ということがあったぐらいなのです。
なお、この14270、最終年式であるP番が生産された2000年においては、「デイトナの次に高い新品実勢価格」というほどの人気モデルでした。
そのため、P番は2000年代前半頃まで14270でも評価されていたと思われるのですが、なぜか2000年代後半になると『他の個体と価格帯が違う』という状況ではなくなったのです。
この14720についても、GMTマスターの16700についても共通することですが、これらが生産終了となった後にも、同じような見た目のモデルがあったという点があります。
16700であれば、GMTマスター2の16710がそれに該当しますし、14270については後継モデルの114270は事実上のマイナーチェンジ版ともいえます。
とはいえ、16700や14270といった有名型番の最終年式という存在は、やはり最終年式らしい評価されても良いのではないかとも思えるわけです。実際、16700は「最後のGMTマスター」ということもあり、以前よりも評価されるようになった経緯があります。
では、14270のP番における最近の様子はどうかというと、こちらはGMTマスターほどの評価とはなっていない様子があります。
現在、P番の14270のボトム価格は約67万円という水準。14270全体のボトム価格よりも7万円ほど高い状態となっている状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
|
|
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ロレックス
エクスプローラー (P番) 14270 |
中古 | 3年 5ヶ月 |
¥440,640 | ¥671,000 | 230,360 | 152.28% |
前回、P番14270の様子をお伝えしたのは2017年8月でしたが、その際の水準は約44万円でした。
今見ると安く感じますが、実は2017年8月における14270全体のボトム価格は約37万円といったところ。
ですから、2017年の段階から、14270のP番は通常個体よりも7万円高かったということになります。
2017年水準と2021年1月の現在水準を見比べると、「近年動かない印象があった14270も、結構動いていた」ということが分かります。
とはいうものの、2017年も2021年現在も、「P番のプレミアムが7万円」ということは変わっていない様子。
P番に対する評価は、2017年から変わっていないといえるのです。