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2021年1月25日更新

阿部泰治のパテック論 ~第43回~ 【パテックフィリップ】売却の際のポイント

みなさんこんにちは。

まだまだ寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。コロナウイルスも怖いですが、この時期は体調も崩しやすいのでお気を付けください。

さて、今回はお持ちの【 パテックフィリップ 】をご売却検討される際の注意点、知っておいて欲しい点を、分かり易くポイントを絞って書いてみたいと思います。売却時に出来る限り「高く買い取ってもらう」ために非常に大切なポイントですので、是非最後までお読みください。

付属品

先ずはどのブランドの時計にも言えますが、購入時に付属していたものを全て準備するという事です。

パテックフィリップ 】の時計を所有される方は、オリジナルの保証書・箱はもちろんですが、取り扱い説明書を含む、付属の冊子類などにもこだわられます。

それら一式を入れるレザー調のパスケースや、それを収めるモデルのリファレンス(型番号)や時計の固体番号が書かれた紙製の封筒のような物もあれば、そちらも保管してください。また、オリジナルの保証書には名前や住所が記載されております。既に塗り潰されている場合は仕方ないですが、名前や住所の記載があるものは、できる限りそのままにしておきましょう。

*【 パテックフィリップ 】の時計は、購入日から2年間のメーカー保証が付いておりますが、名前の塗りつぶし、
名前記載部分のカットなどによる加工があった場合、メーカーでの保証が受けてもらえないと言われてます。
但し、メーカーでの保証期間が既に切れている時計も多く、保証書により時計自体の価値や評価が下がるという訳ではございませんので、何か分からないことや、気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

~2000年までの時計について

製造された時計が2000年代前半もしくはそれ以前ですと、付属している箱の特に内部に傷みを見受けられるケースが多いのですが、その箱も処分せずに保管してください。

たまにその箱の中に時計をセットし、お持ちいただく方、送られてくる方がいらっしゃいますが、それは極力やめていただきたいです。何故かというと、箱の傷みがさらに増してしまうのと、時計本体や特に革ベルトに剥がれた物が付いてしまい、革ベルト自体の状態が良くても使えなくなってしまう場合があり、査定の減点ポイントとなってしまうからです。

保証書が無い場合

売却をお考えの【 パテックフィリップ 】の時計で保証書がもともと無い場合、お客様に取得しておいて欲しい物がございます。

パテックフィリップ 】の公式ホームページから申請、取得ができるもので《Extract from the Archives》というものです。


*詳細:Patek.com

《Extract from the Archives》とは
お客様の所有している時計に関して、1839年の創業以来【パテックフィリップ】の歴史資料に記録され、
細心の配慮を込めて更新された最新情報を提供するサービス。5年以上前の【パテックフィリップ】のタ
イムピースについて申請が出来、150スイスフラン相当の料金がかかる。
取得方法はシンプルで、フォームに先ずお客様のお名前、ご住所、お電話番号を入力し、所有している時計の詳細(ムーブメント、ケース、およびモデル番号は必須)、ケース素材を入力し、時計の画像を複数枚添付して提出するだけです。ムーブメントとシリアル番号が分かる画像が必要となるため、裏蓋を開けて確認が必要になる場合は【 パテックフィリップ 】正規サービスセンターに依頼しましょう。

実際に《Extract from the Archives》が発行されるまで、12週間程度掛かりますが、この文書は正確に【 パテックフィリップ 】歴史資料に記録された情報を反映しているとの事で【時計のタイプ、ムーブメント番号、キャリバー、ケース番号、スタイル、文字盤のタイプ、製造年月日、販売年月日、ブレスレットのタイプ、もしあれば追加情報】が記載されます。

《Extract from the Archives》は真正性の証拠とはならないため、保証するものではありませんとメーカーホームページ上では書かれていますが、実際にアンティークやヴィンテージのモデルを販売するにあたっては、オリジナルの保証書がない場合《Extract from the Archives》は必須とも言えるほど重要なものです。

近い将来、オリジナルの保証書が付属していない【 パテックフィリップ 】の時計をご売却検討中であれば、取得しておいて間違いがないと思います。

スレ・打痕等の傷について

最後に、特に最近人気の”ノーチラス”や”アクアノート”が挙げられますが、ベゼルやケースエッジ部分の仕上げでも消せないキズや打痕は減点ポイントになりますので、ご売却を考えつつ所有をされるようであれば、なるべくキズが付かないように細心の注意を払ってください(笑)

また、革ベルト仕様の時計であれば、ベルトの拭けるような汚れは拭いてキレイにされていると査定の印象は良いです。

まとめ

今さら説明するまでも無い初歩的な事も書きましたが、お持ちの【 パテックフィリップ 】の時計を売却検討中のお客様がいらっしゃいましたら、是非とも参考にしてください。

また、気になることや分からないことがございましたら、お電話でもご相談にのらせて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。

ではまた!

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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