20年ほど前、「ロレックスブーム」と呼ばれていた時代において、最も人気といった存在感だったのがこのエクスプローラーです。
もちろん、現行モデルの人気が高かったわけですが、当時「アンティーク」と呼ばれていた4桁世代の1016は、孤高の存在といったところで、「最も偉いモデル」といったような感覚だったといえます。
しかし、そんな1016はここ数年において、かつてのようなオーラを感じられない状態となっています。
というのも、2017年以降といった時代において、相場変動があまり起こっていないからなのですが、大きな値動きをしなかった結果、他のモデルと比べると相対的に安い価格帯といったポジションになってしまっているわけです。
2017年以降、多くの人気モデルが派手な値動きをしたため、2016年とそれ以降の価格帯は「だいぶ異なる」ということが多い一方、この1016は、2020年8月の段階でも2016年7月との価格差が9万円に過ぎなかったのです。
また、2016年以降において、この1016は「いつでも120万円台ぐらいで購入可能」という印象がありました。
実際、2016年8月水準は約118万円、2017年12月水準は約128万円、2019年8月水準は134万円となっています。(いずれも正規修理明細書付きのボトム価格)
とはいうものの、実は2018年8月にこの1016は、それなりな値動きを見せていました。当時、1016のボトム価格は約158万円にまで上昇したのですが、その結果2017年12月から約8ヶ月という期間で30万円の上昇という値動きをしていたのです。
けれども、その1年後には1016は134万円にまで値下がり。再び120万円台近辺という水準に戻ってしまいます。
さて、この頃からこのエクスプローラー1016には、大きな変化が生じたのですが、それは「何」かというと、「ボトム価格がハック付き世代になった」ということと「1016のボトム価格個体でも、正規修理明細書付きということが多くなった」という点です。
2018年頃まで1016のボトム価格は、1960年代に製造された「ハックなしモデル」という傾向だったのですが、2019年からは70年代頃の「ハックあり」がボトム価格になったのです。
また、興味深いのが、正規修理明細書付きの個体が増えたという点。これまで、4桁ロレックスは、正規メンテナンスが困難といわれ、修理明細書付きというのは「珍しい」といった印象がありました。
もちろん今でも、リファレンスによっては「正規修理明細書付きが珍しい」という場合があるのですが、不思議と、近頃の1016は修理明細書付き個体が多いという状況に変化しているわけです。実際、現在の1016のボトム価格もまた、修理明細書付きという個体となっています。
そして、更なる変化が1016には起きている模様。
それこそが、「久々に値動きした」ということなのですが、現在ボトム価格はなんと約150万円という水準。現在水準は、2018年8月並ではあるものの、目立った値動きとなっているのです。
|
ロレックスエクスプローラー(日本ロレックス明細書)1016の価格比較
時計名 | 状態 | 2020年8月の安値 | 期間 | 2021年2月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス エクスプローラー (日本ロレックス明細書) 1016 |
中古 | ¥1,275,000 | 0年 6ヶ月 |
¥1,503,000 | 228,000 | 117.88% |