1997年から2004年頃までのパネライは、ラジオミールを高級、ルミノールをスタンダートというように棲み分けしていた傾向がありますが、ルミノールの中でも「ルミノールクロノ」は高級という役割を担っていました。
当時のラジオミールが、ドレス系という視点での高級だったならば、ルミノールクロノはスポーツ系の高級。ラジオミールがK18素材といった高級要素だったのに対し、ルミノールクロノにはチタン&コンビという珍しい組み合わせの素材が採用されていたのです。
そして、搭載されているムーブメントは、どちらもゼニスだったわけで、ラジオミールにはエリート、ルミノールクロノにはエルプリメロが搭載されていました。
2001年までのパネライでは、「裏スケ」が採用されるのは、これらゼニスクラス以上といった傾向があったわけで、当時のイメージとして、こういった要素を持つパネライは「かなり高い」という印象だったわけです。
さて、そんなエルプリ時代のルミノールクロノには、10のリファレンスが存在するわけですが、ここでは分かりやすく紹介するために、そのうち3つを解説したいと思います。
まず1つ目が、1999年に登場したPAM00052ですが、これがルミノールクロノの最初のモデルです。
黒文字盤に銀のインダイヤルという見た目が特徴的ですが、ベゼルにはタキメーターがないモデルと、あるモデルが混在。500本の限定モデルとして登場していますが、初期モデルにはタキメーターがなかったようで、後から「タキメーターありベゼル」に交換できたという噂もあります。
そして2つ目が、2000年に登場したPAM00072。これが、“限定モデルではない”通常版としての最初のルミノールクロノです。
52番との違いは、大きく2つあり、1つが黒一色の文字盤に変化したこと。もう1つがデイト表示がついたことです。
ルミノールクロノの流通は決して多くありませんが、その中で最も見かけるのがこの72番だといえます。
そして、3つ目が、今回お伝えしたするPAM00122。これは2002年に登場したルミノールクロノなのですが、エルプリ搭載ルミノールクロノの通常版としては最後に出たモデルだといえます。
とはいっても、通常モデルとしてのルミノールクロノ(ブレスレット)は、72番とこの122番しかありません。
122番は決して限定モデルではないのですが、2002年にしか生産されなかったため、結果的に限定モデルのような希少性となってしまったといえます。
むしろ、この5年ほどの中古相場の印象としては、本当の限定モデルである52番よりも目にかかる機会が少ないと感じられるわけで、ブレスレットのルミノールクロノとしては最もレアといっても過言ではありません。
この122番の特徴は、52番のような見た目でデイト付きというところなのですが、「エルプリ搭載のルミノールクロノとしては、新しくてレア」という魅力があるといえます。
さて、今回そんな122番を久々にお伝えするわけですが、現在水準はどういった様子かというと、105万円という様子であります。
前回お伝えした2016年11月水準が約99万円だったということを考慮すると、驚くほど変わっていないという印象だといえます。
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オフィチーネパネライルミノールクロノPAM00122の価格比較
時計名 | 状態 | 2016年11月の安値 | 期間 | 2021年3月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
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オフィチーネパネライ ルミノールクロノ PAM00122 |
中古 | ¥998,000 | 4年 4ヶ月 |
¥1,050,000 | 52,000 | 105.21% |