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2021年5月16日更新

阿部泰治のパテック論 ~第59回~ 【PHILLIPS(フィリップス)】時計オークション 2021.05/08・09

みなさんこんにちは。

また、今年もオークションの時期がやって来ましたね。

今回は5月8日(土)・9日(日)に、スイスのジュネーブで開催された【PHILLIPS(フィリップス)】時計オークションの結果に基づき【パテックフィリップ】の時計について2週にわたりお話しさせていただければと思います。*私的な意見も多数含まれますので、ご理解下さい。

※価格については、オークションの落札価格に手数料(26%)が入った金額となっております。
※日本円につきましては、オークション開催直近レートを参照しております。
※CHF(スイス・フラン)=121.15円
※画像はすべてPHILLIPS参照

Lot.7 ノーチラス SS 「Ref.5711/1A-001
CHF 138,600,000(JPY 16,791,390)

生産が終了となった、ノーチラス「Ref.5711」の比較的初期の2008年販売の個体です。オークションと言うこともあり、国内外の相場からすると遥かに高値での落札であったと思いますが、オークションならではで夢がありますね(笑)

Lot.28 ワールドタイム クロワゾネ 18KRG 「Ref.5131R-011
CHF 119,700(JPY 14,501,655)

ワールドタイム「Ref.5130」をベースとした、クロワゾネシリーズ「Ref.5131」の18KRG(ローズゴールド)ケース仕様です。何度もコラムでも触れておりますが、文字盤中心にクロワゾネで描かれた世界地図に日本らしきモノがあり、色味も含めて個人的には好きなモデルです。一時期と比べると価格は落ち着いていると思っていましたが、なかなかの落札価格であったと思います。まさしくオークション・ピースな時計ですね。

Lot.30 ノーチラス クロノグラフ 18KRG 「Ref.5980/1R-001
CHF 201,600(JPY 24,423,840)

18KRG(ローズゴールド)ケース仕様のノーチラス・クロノグラフ「Ref.5980/1R-001」。海外での人気、需要が非常に高いモデルで、オークションでの落札価格は市場の相場に近いと思います。正規販売店での入荷も少ないようで、流通個体が少ないのも高値を付ける一つの要因であるかと思います。

Lot.33 ワールドタイム クロワゾネ ダブルクラウン 18KYG 「Ref.2523」
CHF 7,048,000(JPY 853,865,200)

まずは落札の金額を見て、、、(笑)
それもそのはず。ワールドタイム「Ref.2523」のクロワゾネダイヤルは、世界で12本しか存在しないと言われており、今回のユーラシア大陸のデザインは、そのうち3本しか作られてないと言われております。出品された時計はそのうちの1本。アーカイブからすると、1953年に製造されており、70年近くも前且つ希少な時計が、このような状態で現存している事自体が、とても凄いことなんです。これぞまさにオークション・ピースな時計ですね。

Lot.62 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ 18KRG 「Ref.5270R-001
CHF 138,600(JPY 16,791,390)

現在は生産が終了してしまっている、18KRG(ローズゴールド)ケース×革ベルト仕様のパーペチュアルカレンダー・クロノグラフ「Ref.5270R-001」。現行モデルで18KYG(イエローゴールド)素材×革ベルト仕様「Ref.5270J-001」の国内定価が【20,251,000円(税込)】ですので、この落札価格はリーズナブルとも取れると思います。

Lot.64 ノーチラス Platinum 「Ref.5711P」
CHF 567,000(JPY 68,692,050)

2016年にノーチラス生誕40周年記念に700本で限定発表された「Ref.5711P」をご存知の方は多いかと思いますが、こちらはそのモデルとは違い、カタログにも掲載されず、VIPの顧客向けにわずか50本ほど作られたモデルのようです。私も過去に一度だけ顧客様から見させていただいた記憶がございますが、、、オークションでなければほとんど見ることが出来ない時計ですね。

Lot.67 ノーチラス プチコンプリケーション TIFFANY&CO. SS 「Ref.5712/1A-001
HKD 252,000(JPY 30,529,800)

ロングセラーモデルで人気の、ノーチラス プチコンプリケーション SS(ステンレススチール)ブレスレット仕様の「TIFFANY&CO.」Wネームです。2016年10月の高年式個体で、保証書も現行と同じ仕様です。さらに、ビニール未開封のシングルシールドであれば、、、納得の価格かもしれません。コミット銀座でも「TIFFANY&CO.」Wネームモデルは販売実績ございますが、ノーチラスの取り扱いはなく是非とも入手しご案内したい1本です。

Lot.68 ノーチラス 18KRG 「Ref.5711/1R-001
CHF 144,900(JPY 17,554,635)

ノーチラス「Ref.5711」の18KRG(ローズゴールド)ケース仕様「Ref.5711/1R-001」。もともと流通している個体はそこまで多くないと思いますが、ここのところ見かける機会が少なくなったと思います。暖かみのある18KRG(ローズゴールド)ケースに、ブラウンの文字盤がとてもキレイですね。SS(ステンレススチール)モデルの「Ref.5711」の流れからすると、このモデルも今後どうなるのやら、、、

Lot.69 ノーチラス 18KYG 「Ref.3700/11
CHF 226,800(JPY 27,476,820)

初代ノーチラス、通称’’ジャンボ’’の18KYG(イエローゴールド)ケース仕様「Ref.3700/11」。SS(ステンレススチール)ケースの’’ジャンボ’’も、いまやオークション以外ではなかなか見かけることは少ないですが、18KYG(イエローゴールド)ケースはもっと少ないと思います。今回のモデルはケース・ブレスレットのコンディションも良さそうで、そこが落札価格に影響したのかと思いますが、昨今のノーチラス人気を考えると、当然の落札結果とも捉えられますね。

Lot.71 ノーチラス クロノグラフ SS 「Ref.5980/1A-001
HKD 119,700(JPY 14,501,655)

ノーチラス生誕30周年記念で発表された、初のクロノグラフ搭載モデル「Ref.5980/1A-001」。大きさ、デザイン全てにおいて完成されていて、いつ見てもカッコいいモデルであると思います。通常のノーチラスの高騰ぶりを見ると、逆に狙い目であるのかなとも思います。

Lot.72 パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KWG 「Ref.5020G」
CHF 189,000(JPY 22,897,350)

1994年に発表され、僅か8年間という短命に終わった、なかなか市場では見かけない通称’’TV Screen’’と言われている「Ref.5020G」。同時期に生産されていた「Ref.3970」を見たことがある方は多いと思いますが、こちらのモデルを見たことがある方は少ないと思います。「Ref.3970」と比べると迫力あるサイズ感と、ブレゲ針×ブレゲ数字のアップライドインデックス仕様の文字盤がとてもかっこいいですね。

Lot.100 パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KYG 「Ref.2499」
CHF 852,800(JPY 103,316,720)

こちらは、【パテックフィリップ】のパーペチュアルカレンダー クロノグラフ第2世代にあたる「Ref.2499」のサードシリーズです。「Ref.2499」の中では生産個数が多く、一番スッキリした印象ですね。少し前までは、毎オークション1本は必ず出品されていたような記憶がありますが、最近のオークションでは出品も少なくなったと思います。写真で見る限り、ダイヤル・ケースのコンディションが抜群に良く、そこが落札価格に反映されていると思います。いつかは、コミットでも扱いたいモデルです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

普段見ることが出来ない超絶モデルや、非常に希少なアンティークの時計を見れるのも、海外オークションならではの良さかと思います。

皆さんお気づきかとは思いますが、今回はノーチラスのディスコン発表後、初となるオークションということもあり、ノーチラスの出品が非常に多かったとともに、全体的に【パテックフィリップ】の時計の出品が多かったです。私としては非常に嬉しい限りでございます。

ということで、冒頭でも述べましたが、次回も【PHILLIPS(フィリップス)】のオークション結果をお伝えしたいと思います。

是非お楽しみにお待ちください。

ではまた!

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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