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現在相場考察

コンビの状況、ヨットマスター16623グレー文字盤

2021年7月20日更新
ロレックスのヨットマスター16623について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年6月の安値と2021年7月の安値を比較し現在相場を考察。この2年1ヶ月での変動は11万4960円の値上がりだった。

ヨットマスター グレー文字盤 16623についての考察(2021年7月)

いきなりですが、2003年のロレックスの相場事情を振り返ってみたいと思います。

その頃、一番人気だったのは、今と同様デイトナでありますが、「デイトナ以外の一番人気」という観点では、エクスプローラーがそのポジションに位置していました。

そして、エクスプローラーを頂点として、エクスプローラー2(黒)、シードゥエラーエクスプローラー2(白)、サブマリーナデイト、GMTマスター2、サブマリーナノンデイト』といった価格序列となっていたのです。

おおよその価格帯は、エクスプローラー40万円台中盤だったわけですが、そういった価格帯が、当時の「高いほうのモデル」だったわけです。

そして、コンビとなるとその相場は、さらに高価。デイトナの事例から「コンビは、人気SSよりも安い」というイメージがあるかもしれませんが、そういったことはデイトナ以外ではあまり起こっていません。

とはいえ、コンビのスポーツモデルの価格帯でも、2003年当時は50万円台といったところ。一番人気の青サブ(16613)を例としても、56万円ほどの新品実勢価格だったわけです。

また、ヨットマスターには、プラチナベゼルの「ロレジウム」がありますが、それは“どのコンビモデルよりも高い”といった価格帯に位置。2003年頃の新品実勢価格は60万円台後半といった水準だったのです。

ですから、2003年頃のスポーツロレックスに対する印象としては、デイトナ⇒ロレジウム⇒青サブ⇒エクスプローラー⇒その他」といった感覚があったといえ、エクスプローラーまでが「憧れられるモデル」だったといえます。

そして、その2003年にデビューしたモデルが、このヨットマスター16623だったのですが、これは「コンビ」でありながら、「ロレジウム」よりも高い価格帯に位置していました。

それまでのイメージでは、「ロレジウム」は「コンビ」よりも高価だったわけですから、16623は結構高いモデルという印象があったといえます。

ちなみに、2003年といえば、「緑サブ」がデビューした年でもありますが、「緑サブ」もまた、エクスプローラー以上といった価格帯。それまで、デイトナ以外のオールSSモデルとしては、エクスプローラーが最も高価というイメージだったのが、「緑サブ」が最も高いというようになってしまったのです。

ですから、2003年にデビューしたモデルを含めると、先程の価格序列はデイトナ16623⇒ロレジウム⇒緑サブ⇒青サブ⇒エクスプローラー⇒その他」となったため、分かりづらくなったといえます。

もっとも、そういった2003年の価格序列は、2021年の今となっては「全く参考にならない」わけで、特にロレジウムやエクスプローラーなどの立ち位置は随分変わっているわけです。

けれども、この16623の立ち位置は、これまでそれほど変わりませんでした。実際、16623は今も昔も「ロレジウムよりも高価」といった価格帯となっているわけで、16622がだいぶ高くなった現在相場をみても、そういったことに違いはないのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年6月
の安値
2021年7月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
ヨットマスター
グレー文字盤
16623
中古 2年
1ヶ月
¥1,013,040 ¥1,128,000 114,960 111.35%

ただし、5桁世代のコンビと比べた場合、このグレー文字盤の約112万円という水準だと、今の状況では、青サブ(16613)に抜かされてしまっている状況です。

この16623を前回お伝えしたのは、約2年前のことでありますが、それから現在までの変動は、約11万円の上昇という規模であります。

今から2年前といえば「2019年上半期」という時期。この頃といえば、多くのモデルが目立って上昇となっていた時期ですが、それでも2021年7月現在では「2019年上半期以上」となるモデルが多い傾向があります。

実際、5桁世代でも2019年上半期と現在水準では、「結構違う」という価格帯になっているモデルがそれなりにあります。

実際、青サブは2019年上半期に92万円程度だったわけですが、現在では約121万円。この16623グレー文字盤よりも高い水準なのです。

そのため、この16623は、あまり変化しなかった結果、他のモデルに抜かされつつあるのか、と思うところですが、実は他の個体を見るとすでに130万円近い状況になっていることがわかります。

そういった意味では、この個体は“たまたま安い”1本といえるわけで、実際の16623水準は「より高い」価格帯だといえるかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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