「黒ベゼル」のGMTマスター2は、2019年3月頃まで、比較的不人気なスポーツモデルという印象があったといえます。
実際、その頃まで116710LNは、セラックベゼルを有するモデルの中で最も安価といったポジションか、サブマリーナノンデイトの次に安いといったところでした。
なぜ2019年3月頃まで、この116710LNがあまり高くない状況だったかというと、それは「黒ベゼルのGMTマスター2」が、当時、当たり前という存在感だったからでしょう。
GMTマスター2のSSモデルが6桁世代に以降したのは2007年ですが、その時から2018年に至るまで、SSモデルはこの「黒ベゼル」の116710LNしかなかったわけです。
そうなると「青赤ベゼル」に対する“レア感”が強くなるわけですが、実際2007年頃まで「青赤」は不人気とされていたのが、2007年以降は「人気」というように変わった経緯があります。
ちなみに、2000年頃の新品実勢価格では、16710の青赤と黒赤が約34万円だったのに対し、黒ベゼルは約36万円(いずれも当時の税込換算価格)。「青赤」が“当たり前”だった2000年においては、黒ベゼルが最も人気だったといえます。
さて、このように、時期によって「カラーベゼル」と「黒ベゼル」のレア感が入れ替わるといえるGMTマスター2ですが、2019年からは「黒ベゼル」のほうがレアだといえる状況だといえます。
2018年にSSの青赤が復活し、今年2021年には3連ブレスレット版も登場しましたが、「黒ベゼル」については、2019年3月に生産終了となったこの116710LNが今のところ最後のモデルであるわけです。
そうなると、「黒ベゼル」がレアということになるわけで、2000年頃のように、「青赤」よりも「黒ベゼル」のほうが高いという状況になっても不思議ではありません。
実際、この116710LNは、生産終了が発覚した2019年3月に一気に上昇。2018年11月時点では、約91万円という水準だったのが、2019年3月には約127万円となっていました。
けれども、その後も116710LNの勢いが続くといったことはなく、実は近頃まで2019年3月水準が最も高かったという傾向があったのです。
この116710LNは、2019年3月に約127万円に達したわけですが、その後は下落傾向となっていました。同年8月には98万円にまで下落しており、30万円近い値下がりとなったと同時に100万円を割るという事態に驚きます。
その時期といえば、「断続的な下落トレンド」の始まりでありますが、それが収束した2020年夏以降になって、ようやく116710LNは、ようやく120万円台にまで回復したという経緯があります。
そんな116710LNですが、2021年8月の今となっては、ようやく『回復⇒上昇』となっている様子です。
現在、この116710LNは約142万円というボトム価格。ついに140万円台に達しているのです。
ロレックスGMTマスター2116710LNの価格比較
時計名 | 状態 | 2020年9月の安値 | 期間 | 2021年8月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
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ロレックス GMTマスター2 116710LN |
中古 | ¥1,218,800 | 0年 11ヶ月 |
¥1,428,680 | 209,880 | 117.22% |