90年代後半頃の雲上スポーツモデルには、80年代文化の名残があったといえます。
その名残は「何」かというと、クォーツモデルが用意されていたという点です。
今では、雲上スポーツのメンズモデルの「クォーツ」は、皆無と言ってもよいぐらい見かけない状態ですが、90年代後半頃までは、いずれの雲上スポーツモデルにもクォーツは用意されていました。
1970年代にデビューしたロイヤルオーク、ノーチラスはもちろん、90年代にデビューしたオーバーシーズとアクアノートにもクォーツモデルがしっかり存在したのです。
ちなみに、現行モデルでも、ロイヤルオークとアクアノート等にはクォーツが用意されていますが、「はっきりとしたメンズサイズ」というくくりではないといえます。
ですから、一見、機械式しかラインナップされていなさそうな雲上スポーツにメンズのクォーツがあったというのは、今の時代の感覚からすると、逆にレアとなるでしょう。
クォーツムーブメントを搭載するモデルは、これまでアクアノート等に限らず、全体的に不人気な傾向でした。ただ、2019年からはロレックスのオイスタークォーツがそれなりに上昇するなど、近年ではクォーツムーブメントのモデルも、その独特さが評価されているといえます。
そして、今回お伝えする、アクアノートの5064A-001もまた、過去とは随分変わった評価となっている模様。
この5064A-001は、これまでメンズサイズのアクアノートとしては、抜きん出て安い価格帯に位置していました。2002年と昔のことではありますが、筆者が見た最安値としては税別37万円ほどという記憶があります。実際、2005年時点のヤフオクでも約38万円で落札されていました。
そんな5064A-001ですが、2015年8月には約89万円という水準になるなど、決して値動きしていないというわけではありません。
数が少ないため、中古個体の登場頻度は1年に一度といった程度ではありますが、2018年6月が約132万円、その1年後の2019年6月は約203万円と、これまでそれなりに上昇してきていました。
しかし、2020年7月には、断続的な値下がりトレンドと新型コロナに伴う最初の緊急事態宣言の影響により、この5064A-001は値下がりしてしまいます。その際は、約178万円という水準に下落していました。
さて、それから1年2ヶ月が経過したわけですが、このクォーツアクアノートの現在の様子はどうなっているかというと、なんと300万円台に達している様子であります。
2020年7月に約178万円だった5064A-001は、2021年9月現在では約305万円。実に、127万円ほどの値上がりとなっているのです。
パテックフィリップアクアノート5064A-001の価格比較
時計名 | 状態 | 2020年7月の安値 | 期間 | 2021年9月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
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パテックフィリップ アクアノート 5064A-001 |
中古 | ¥1,782,000 | 1年 2ヶ月 |
¥3,058,000 | 1,276,000 | 171.60% |