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2016年8月21日更新

宝飾時計じゃない遊び時計として重宝、オメガ『ダイナミック クロノグラフ』5240.50

ダイナミック」というシリーズは1960年代から存在しますが、上記のモデルは1997年に登場した3代目です。

2001年頃にはすでに生産終了となっており、かなり生産期間の短いモデルなのですが、販売当時の扱いとしてはオメガの中で最も安いという位置づけ

日本の定価ですら、どのモデルでも10万円台前半という価格。

 

  • 3針 革ベルト
  • 3針 ステンレスブレスレット
  • クロノグラフ 革ベルト
  • クロノグラフ ステンレスブレスレット

 

と4種類ほどのモデルが展開されていたのですが、一番高いクロノグラフのステンレスブレスレット仕様でも定価は16万円以下だったのです。

この時計が現役当時、ドンキホーテがかなり高級腕時計の販売に力を入れていた頃で、結構な数のオメガをドンキにて見ることが出来ました。

しかし、そういったお店においてもダイナミックが販売されていることは稀で、この時計の存在自体がマニアックなのです。

そもそも定価自体がかなり安いため、平行新品価格は10万円を切っていても不思議ではありません

で、生産終了から15年以上経った今において、流通価格が安いこの時計は程度が悪い個体ばかり、という状況となっていても不思議ではないのですが、実はこの時計なかなか程度の良いモノが多いのです。

というのも、これを買った人は時計マニアでしょう。

通常、安い+ブランド品という要素が揃うと、決して時計好きというわけではない人の手元にも時計が流通します。

そうすると、当然時計は正しく扱われない可能性が高いわけで、それが程度の悪い個体を生み出すのです。

すると、程度の良いモノが比較的多いダイナミックは、この価格帯の時計としてはかなり存在価値が高くなります。

つまり、時計ファンのコレクションに「なんとなく1本」気軽に買える時計が増えた、ということです。

しかも、10万円以下の価格帯って宝飾ブランドのカジュアルモデルが多い中、

 

  • ミリタリー系
  • 機械式
  • まじめに作られた時計

 

という時計ファンのツボを押さえた内容。

それがこの価格で、この程度の良さなのです。

さらに、相場は基本的に安定。

ポーンと買っても大損するという可能性は低いでしょう。

これが現行当時、筆者個人的にはかっこ良く見えませんでしたが、2016年の今となっては、なぜかかっこ良く見えます。

2つ目のクロノグラフってのが、より一層かっこ良さを引き立てています。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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