長らくSSモデルのみの展開だったシードゥエラーに、初のコンビモデルが登場したのは2019年のこと。その際、デビューしたのがこの126603です。
シードゥエラー以外にも、SSのみの展開といったシリーズがありますが、それらはエアキングだったりサブマリーナノンデイトだったりと、エントリークラスといったキャラクターが中心でした。
それに対して、シードゥエラーとミルガウスは、上位に位置するモデルでありながら、あえてステンレスしかなかったわけです。
どちらも、特殊な高機能を有するモデルですが、プロフェッショナル中のプロフェショナルモデルといった感覚で、あえてステンレスしかなかったのだと思います。
そんなシードゥエラーに、突如としてコンビモデルが現れたわけですから、2019年の印象としては、戸惑いもあったといえます。
また、コンビモデルに対して、カラーベゼルやグラデーション文字盤が与えられるということもなく、いわゆる“黒サブカラー”でさらっと登場したのも、ある種の意外性だったといえるでしょう。
126603には、謎のモデルといった感覚もあるわけですが、そうであるならば、相場の評価もどうなるかは未知数といった感覚があります。
ただ、デビュー時の相場は、なかなか高い水準となっており、当時のSS赤シードに対して、40万円高といったところ。
これは、サブマリーナ(116610LN対116613LN)よりも、SS対コンビの相場差が開いている状況だったわけですが、それと同時に、190万円台という水準だったことから、「コンビモデルとしては異例なほど高い」といった感覚があったわけです。
そのため、この126603は、デビュー直後ということを加味しても、なかなか評価されているといった様子があるように思えたのですが、その後の評価はどうかというと、そこまでの伸びはない状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年11月 の安値 |
2022年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
シードゥエラー 126603 |
中古 | 2年 5ヶ月 |
¥1,938,000 | ¥2,250,000 | 312,000 | 116.10% |
126603の現在ボトム価格は、225万円となっているのですが、これは2019年11月水準に対して約31万円の上昇といった値動きです。
2019年はデビュー年であるため、それよりも31万円高というのは『デビュー時の割高水準よりも、後の中古相場のほうが高い』と評価することができる一方、2019年秋⇒2022年春では、ロレックス相場が上昇している傾向があります。
そのため、他のスポーツロレックスと比較すると、この126603は、あまり上昇していない部類という側面があるわけです。
ちなみに、この126603のSSモデルともいえる、126600も長らく160万円前後という状況でしたが、今年目立った変化を果たし、今では190万円台になっています。
2019年に、突如出現したシードゥエラーのコンビモデルという126603でありますが、仮に今後、急に生産終了となったならば、幻のコンビシードゥエラーとなることでしょう。
生産終了となるかは全く予測することができませんが、こういった謎のモデルは、そういった可能性があることを考えても良いかと思います。