腕時計投資新聞

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2016年8月27日更新

名品と呼ばれる安価な永久カレンダー、IWC『ダヴィンチ』パーペチュアルカレンダー

この時計、最も画期的なのは永久カレンダー搭載なのに約200万円という定価。

永久カレンダーだと1000万円ぐらいするはず。なのにダヴィンチはそれよりだいぶ安い、というのは元からメーカー側が意図したこと。

画期的な永久カレンダーの機構によってこの価格を実現したといわれています。

よって新品実売価格は新品定価より安価な額ですし、中古に至ってはもっと安値。

10年以上前の中古相場は80万円台といったところでした。

それから若干上がったものの、そんなに高くもならず相場は安定しているといった状態です。

なおダヴィンチ、2000年代前半ぐらいまでは時計好きのコレクションに大体1本入ってるというぐらい存在感のある時計でしたが、ここ最近は「忘れられた」かのよう。

というのもダヴィンチ、売り情報を検索してもあんまり出てこない上に、非常に検索しづらいのです。

『ダビンチ』、『ダヴィンチ』、『ダ・ヴィンチ』など、その表記は様々。

そして実際売られている個体数そのものの数も少ないのです。

よって、ダヴィンチのファンはこの時計の存在を認識しているけれど、その他の人はこの時計の存在を忘れているかそもそも知らない、といったとこでしょう。

これ、内容が面白いだけに知っている人がもっと増えたら、もっと人気がある腕時計となっても良さそうな気がします。

だって、永久カレンダーでこの価格ですよ。

近年中国製のムーブメントを筆頭に20万円程度でも手に入れようと思えば手に入るトゥールビヨンとは異なり、永久カレンダーでそこまで安いモデルはありません。

ダヴィンチよりも定価ベースで安い永久カレンダーといえば、最近出たフレデリックコンスタントの120万円のやつでしょう。

また、安価なトゥールビヨンといってもスイス製のモノは100万円以上と中国製よりだいぶ高い価格。

IWCという高級マニュファクチュールが独自の技術で“手に入りやすい時計として”仕上げたこのダヴィンチ、とても面白い時計ではあります。

ただ、この時計、安いとはいえ永久カレンダーですからメンテナンスのお金はかかりそう。

また、永久カレンダー自体がデリケートですから、普段使いに耐えられるかにも疑問があります。

そして、過去の相場をみると横ばい状態

よって投資的な魅力にはかけますが、腕時計の機構として面白いというのがダヴィンチです。

特に西暦を4桁で表すっていう機能、他の永久永久カレンダーにはついていなかったりするので、デザイン的にも興味深い時計です。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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