アクアノートやノーチラスが3針モデルのみだったのはもう過去のこと。2005年にノーチラスにプチコンプリケーションモデルが登場して以来、プチコン仕様があるのはアクアノートやノーチラスにとって普通のこととなりました。
ただ、アクアノートに搭載されているのはトラベルタイム。
トラベルタイムといえば、かつては「カラトラバ トラベルタイム」という存在で、実はプチコンプリケーション扱いではないのです。
1990年代におけるアクアノートとノーチラスの関係は、どちらがより高級という差別化は今ほど明白なものではありませんでした。
第一世代の5065時代ではアクアノートに金無垢ブレスレット仕様が存在していましたし、ノーチラス(3800)とアクアノートの定価の差だって数万円程度と明白な差は存在しなかったのです。
それが第二世代の5167時代になると、アクアノートはノーチラスよりもカジュアルな存在となったのです。
よって、アクアノートのプチコンに該当するモデルも、かつてはカラトラバに搭載されていたトラベルタイムを搭載。
ノーチラスのようにプチコンプリケーションに分類される機構の搭載はありません。
なおこのアクアノートのトラベルタイム、現在相場の約300万円という額は、数年前からそんなに変わっていない模様です。
ただ、このモデル、希少さと価格の高さ故に目立った売買事例がありません。
デビューしたのは2011年と、すでに5年の歳月が経っている割には売買事例がかなり少なめ。
ちなみに、今年のはじめは約320万円程度が安い中古の個体だったため、そこから約20万円ぐらい値下がりしている模様です。
かつてカラトラバのワールドタイムといえば、プチコンプリケーションに対して安価に買える“プチコン的”な時計でした。
アクアノートのトラベルタイムとなった今において約300万円という中古価格は、永久カレンダーである年次カレンダーよりもだいぶ高い相場。
かつての常識であれば、年次カレンダーよりトラベルタイムが高いという現象はあり得ないことだったでしょう。