P番の他にも有名な品番なのがZ番。
Z番が有名な理由は、Z番の時期にルーレット仕様となったから。ただ、この場合、Z番だけに価値があるとされるのではなくて、Z番以降か以前かで相場が異なるのです。
それに対してP番は、「P番」ということに価値があるとされている品番。
かつてはエクスプローラ、GMTマスター2、ヨットマスターロレジウムなど数多くのスポーツロレックスのP番が高い傾向でした。
というのもP番の頃に様々な小変更が重なったからで、当時としてはP番こそが新しい象徴といったイメージだったのです。
そして、その後はP番だからといってそんなに価値が付くというわけでもなくなってきたのですが、16520のデイトナだけは別なのです。(同じ年にデビューした116520の初期モデルはP番ですが、16520のP番のような相場ではありません)
前ページの相場を見ても、P番のデイトナがいかに高いかがわかります。
例えば、2008年。
2008年というとデイトナが急落した時代で80万円ぐらいでこれと見た目がそっくりなモノが売られていても珍しくありませんでした。
それに対してP番の16520は150万円近い価格。
2008年での約147万円という額は、現在の16520白文字盤(P番以外)と比べてもだいぶ高い額なのです。
しかし、P番はP番できちんと値上がり状態。現在、2008年と比べて約47万円という値上がり額です。
これら相場を見て分かる通り、いつの時代も16520のP番には価値があるのです。
ではなぜか。
一番の理由は16520の最終モデルがP番で、同じ年には116520が登場しているため、生産数がごく少数だということ。
しかしそれだけではなく、16520には年式による細かい仕様違いがあるというのもP番に価値が集中する要因なのです。
デイトナというとブレスレットの中央が鏡面仕上げのイメージですが、90年代前半のデイトナは他のスポーツロレックスと同じく全ヘアライン仕上げでした。
5桁リファレンスのモデルにおいてより新しいということが一つの価値となるため、かつてはヘアライン仕上げ仕様のモデルは相対的に安く取り扱われていたりしました。
そして、もう一つの新しい要素として分かりやすいのが発光塗料。
16520の場合、トリチウムからルミノバになったのがP番の1個まえのA番からなので、このA番P番が「最も新しい」という印象になるのです。
よって、
- 超希少で
- 近代的で
- 最終年式の
P番の16520はいつの時代でもかなり高い傾向。
ちなみに、A番もその他の年式と比べて高い傾向ですが、P番は圧倒的に高いのです。
よって、P番というだけで「高い」と感じても、しっかりと値上がりしているのがP番の面白いところ。
ちなみに、黒文字盤のほうがもっと高いですが、デイトナの場合文字盤交換が可能(現在は不明)なため、文字盤交換したほうが安上がりだと思います。
少しの違いが、ものすごい存在感と高い価値を生み出すという面白い事例がP番のデイトナです。
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