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2016年12月17日更新

もっと安くなった、シャネルJ12ホワイトセラミック H0970

2010年8月の相場は33万円程度といったところです。

2010年というとロレックスエアキング14万円で買え、ステンレスのデイトナ70万円台で買えた時代。

その時期でも33万円という価格だったJ12のホワイトセラミックですから、この20万円台前半という相場は過去最安に近い額だと思います。

しかし、ロレックスなど他の時計は高くなったままなのに、なぜJ12だけが値下がりしてしまったのでしょう。

しかも、その値下がり額は2010年の基準値以下という半端じゃない値下がりなのです。

例えば、ロレックスパテックフィリップだって2014年より安くなっているものもありますが、いくら値下がりしたからといって2010年と同水準にまでなるものは見かけません。

ですから、このホワイトセラミックのJ12の値下がりには、他の時計と異なる要因があるはずです。

おそらくその原因として考えられるのが、インパクトのある時計が敬遠されているという現象だと考えられます。

近年値下がり傾向な時計に共通するのは、ひと目でそのブランドが分かる時計。

ブルガリフランクミュラーなどがその例です。

ただ、それらと異なるのはフランクミュラーなどが2010年と比較して常に値下がり状態なのに対して、J12はいったん高くなったにもかかわらず2016年に急に安くなったという点。

この2016年にいきなり安くなったという点だけはこれといった強い理由を見つけることはできませんでした。

しかし、ロレックスが高いことから腕時計が全体的に高いという印象の今、なんとJ12をかなり安い価格で買うことができるという意外なことが起きているのです。

このJ12、ホワイトセラミックという、他では見られない素材を採用していることから、変わり種時計として1本持っておくには良いポジションだと思います。

そして、今のように安い価格でこそそのポジションが発揮されることでしょう。

ちなみに、先程筆者が電車に乗っていた時、少し派手目のフェンディのセーターを着た男性がこのJ12ホワイトセラミックを付けていて、かなりかっこいいと思いました。

女性など、比較的若い人が付けているイメージのJ12ですが、年配の男性が派手目のファッションに合わせるという着こなしこそこの時計に合うと思います。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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