2007年にパテックフィリップが異例ともいえる気合の入れ方で投入したクロノメトロゴンドーロ。
2針のシンプルなモデルでありながらムーブメントはこの5098に対する専用設計。また、文字盤はK18プレートを用いた手掘りであります。
文字盤素材にK18を使っているのは、グランドコンプリケーションが基本ですが、2針といったシンプルなモデルでは、このクロノメトロゴンドーロとゴールデンエリプスぐらいだといえます。
さて、パテックフィリップのプラチナモデルといえば、パテックファンにとって「憧れ」ともいえる存在。プラチナモデルには、ケースの6時位置にこっそりダイヤモンドが装着されているのですが、そういったことからも「プラチナは特別」というパテックの意思が伝わります。
しかしながら、そのようなプラチナパテック、及び専用設計という特別感とは逆に、長らく5098P-001は「お得なプラチナモデル」という中古相場となっていた経緯があります。
特に2021年まではそういった傾向が顕著。2021年10月において、この5098P-001は253万円といった相場だったのですが、当時としてもプラチナモデルが250万円台というのは異例。
実際、2021年10月時点ではYGのカラトラバ5196J-001よりも、この5098P-001のほうが約24万円安価となっていたわけです。
そんな5098P-001でありますが、2022年になるとそれまでの「安価」を払拭するかのように上昇。
2022年5月に335万円に上昇した後、2023年2月には約360万円にまで達していたのです。
ですから、2022年から5098P-001は伸びるようになったといえます。
しかし今、そんな5098P-001は値下がりしている様子があります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年2月 の安値 |
2024年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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パテックフィリップ
クロノメトロゴンドーロ 5098P-001 |
中古 | 1年 10ヶ月 |
¥3,602,000 | ¥3,380,000 | -222,000 | 93.84% |
5098P-001の現在水準は338万円となっているのですが、これは2023年2月水準に対して約22万円の値下がり。
現在水準は、2022年5月と同程度に戻ってしまったといえる状態であります。
下落とはいえ、5098P-001は2021年水準並に戻ったというわけではないため、そこまで大きなインパクトはないといえます。
ただその一方で、2022年以降5098P-001は勢いづいたかのように上昇傾向となっていたことにストップがかかったというのは気になるところだといえるでしょう。